ハンドリングもキレのあるもの。前寄りのライディングポジションのため、コーナー入り口でブレーキをかけるとさらに前方に荷重がかかり、フロントタイヤで曲がるような特性となるが、この性質が効果的でコーナーの出口方向に視線を送るだけで向きが変わってくれる。
実はこれ、最近のレーシングマシンでは一般的になっている特性。フロントタイヤのグリップを活かして一気に向きを変えるようなハンドリングだ。フレーム剛性が高いこともあって、コーナーリング中の安定感も高い。
ライディングポジションが個性的なので、後ろ寄りに着座する旧来のロードマシンに慣れた人は最初ちょっと戸惑うかもしれないが、ハンドリングにクセがあるわけではないのですぐに慣れるはず。そして、この特性を理解すればクイックに曲がる乗り味の虜になるだろう。峠道はもちろん、街中の交差点でもその気持ちよさを味わうことができる。ストリートマシンとして、これ以上の魅力はないだろう。
軽量な車体に元気のいいエンジン、そしてクイックなハンドリング。この組み合わせが楽しくないはずがない。正直なところ、フロントフェイスのデザインは筆者の好みではないのだが、少し走り回っただけでこのマシンが欲しくて仕方なくなってしまった。
デザインが好みではないのに、乗り味だけで欲しくなるマシンなんて、そうそうない。しかも、「390DUKE」の価格は64万1000円。これだけの装備と完成度を誇るマシンとしては、かなりのバーゲンプライスだ。普通二輪免許で乗れるマシンとしては、ピカイチの魅力を持っている。
KTM 390DUKE
車両価格(消費税込み) 64万1000円
お問い合わせ先:
KTMジャパン
https://www.ktm.com/
取材・文/増谷茂樹