実は、フェイスは厚みを増し、Aピラーは立てられ、ルーフは長くなり、クォーターガラスを新設して、ツートーンカラーも幌やハードトップを備えたモデルのようなデザインを採用するなど、変わったところが多い。個人的には、サイドの眺めにジープ・ラングラーを重ねてしまうが、SUVらしさの表現という意味合いでは認めざるを得ないテイストだ。いずれにしてもユーザーが好むデザイン要素をしっかりと採り入れ、その上で新しさをプラスするという手法は、天晴れと言える。
ワクワク感がさらに高まる新型ハスラー。ハードウェアは?
キャビンは、遊び心に富んでおり、3連インパネガーニッシュ、シートにプラスされたカラーアクセントなど、近所へ買い物に行くだけでもワクワクしてくるあつらえとなっている。初代ハスラーは、フィールドへと出掛けたくなるワクワク感だけではなく、こうした日常でもワクワクしたい人からも選ばれ、日々を愉しく過ごす相棒として人気があったとか。

新型ではそのワクワクをさらに高めるため、ハスラーらしさであるアウトドアテイストを高めるためにタフさ、力強さといった機能を与え、そんなモデルをあえて街乗りをするというクールさをも追求。振り返ってみると90年代のRVブームの頃にも似たようなテイストが流行したが、新型は昨今のバーベキューですら街中で愉しむというアウトドアスタイルにリンクさせたものとなっており、初代モデルから変える必要があったことが理解できる。
そんなハスラーだが、ハードウェアも多くが一新されている。プラットフォームは現行型ワゴンRなどにも採用されているハーテクトを採用。その特徴は軽量化と高剛性をハイバランスさせたもので、具体的に言えば、燃費性能、走行性能を引き上げつつ、安全性能もしっかりと確保した、そんな仕立てだ。エンジンは一新されたNA(R06D型)と、ブラッシュアップされたターボ(R06A型)を設定。いずれもマイルドハイブリッドと呼ばれる加速時に少しだけモーターによる駆動力をプラスするシステムを採用している。そこに新開発となったCVTを組み合わせている。
駆動方式は2WDと4WD。4WDは凹凸のある路面やスノードライブで1輪がグリップを失った際、そこにブレーキを掛けることで、接地している反対側タイヤへとトルクを伝え、そして脱出をアシストしてくれるグリップコントロールを搭載し、新たに雪道や凍結路での発進に安心をプラスしてくれるスノーモードを採用。ハスラーがもともと得意としていたオールマイティな走行性能をさらに広げている。