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加速パフォーマンスに痺れる

M5を踏襲しながら、クーペスタイルになったM8。ボディサイズは全長4867mm、全幅1907mm、全高1362mm。荷室容量は420リッターと、GTカーとして十分な容量を備える。

一台のM8がピット内でリフトアップされていた。通常はアンダーパネルで覆われフラットになっているはずのフロア内側を見せてしまおうという趣向で、スポーツカーの試乗会ではたまに見掛ける光景だ。特にシャシーに自信をもつBMWは、こうして裏側を見せてくれることが多い。前後ともMモデル専用の軽量高剛性アーム類が入っており、それらをさらに強固な補強材が支えている。乗り心地重視のグランツアラーからリアルスポーツカーのMまで、守備範囲の広くなるモデルには有効な“チューニングアップ”だろう。ニュルブルクリンクの香りが漂っている。

パワートレーンを筆頭に基本的にはM5のメカニズムを踏襲した。けれども、M5よりもエンジン搭載位置は明らかに低くなっていて、重心高がかなり下がった設計となっている。そもそも8シリーズは、レーシングカーのM8GTありきで開発されたという経緯があった。

Mモードでは、ロード・スポーツ・トラックなどアシストシステムの介入度合いを選択できる。また、2WD走行も可能なのでドリフトもできる。

コンペティションという最上級(現時点)グレードには、625ps というBMWロードカー史上、最もハイスペックなV8ツインターボエンジンが搭載される。これにM社謹製の8ATと4WDシステムを組み合わせた。

また、M専用インテグレーテッド・ブレーキシステムを採用。極限走行におけるブレーキ性能を高めたのみならず、制動に要する踏み込み量を任意で変更することもできる。穏やかに走りたいときにはブレーキをゆったり効かせることができるのだ。

まずはアルガルヴェサーキットでM8クーペ・コンペティションを試すことに。ここはスーパーカーの試乗会もよく開催されるサーキットだから、M8のダイナミック性能を判断するには絶好の場所。インストラクターの指示に従って、4WDの制御をスポーツにセット。プロの駆るM8に続いてコースに出た。

S63ユニットによる加速パフォーマンスにまず痺れた。スーパーカーのようなダッシュをみせると同時に、サウンドもすさまじい。この加速と音を体験すればもう、M850との差は歴然としている。

また、4WDスポーツのモードではFRに近いドライビングファンを安心して楽しむこともできた。同じシステムをもっているM5でもかなり楽しめたが、M8なら路面との距離がいっそう近く、操作フィールもよりダイレクトなため、平均速度の高いサーキットでも狙ったラインを面白いようにトレースできた。さらに、このモードならリアタイヤに多少の滑りを許してくれる。これがまた楽しい。ドライバーが脱出したい方向をしっかりと向いている限り、マシンは常に正しい方向に向かって駆け抜ける。

<p>M8カブリオレのグレード展開はクーペと同様で、ベースグレードとコンペティションの2種類。ベースグレードの価格が2338万円で、コンペティションの価格は2541万円。</p>

M8カブリオレのグレード展開はクーペと同様で、ベースグレードとコンペティションの2種類。ベースグレードの価格が2338万円で、コンペティションの価格は2541万円。

<p>ソフト・トップは時速50km以下であれば走行中でも15秒で開閉が可能。</p>

ソフト・トップは時速50km以下であれば走行中でも15秒で開閉が可能。

<p>開閉時ともに350リッターの荷室容量を確保している。</p>

開閉時ともに350リッターの荷室容量を確保している。

<p>BMWロードカー史上最高のスペックを誇る4.4リッターV型8気筒ターボエンジン。最高出力は625ps、最大トルクは750Nmを誇る。</p>

BMWロードカー史上最高のスペックを誇る4.4リッターV型8気筒ターボエンジン。最高出力は625ps、最大トルクは750Nmを誇る。

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