日本一の老舗シューケアメーカー「コロンブス」の全面協力、Begin & MEN’S EX特別編集で好評発売中の書籍『究極の靴磨き』から、その中身をピックアップしてご紹介する。今回は「磨きがいのある究極の靴カタログ」からジョンロブの一足を。
ジョンロブ ウィリアム
PRODUCT JOHN LOBB WILLIAM
MATERIAL CALF
PRICE 18万円
MADE IN ENGLAND
レコードやカセットテープのように
愛され続けるダブルモンク
1対のバックルとストラップで足をホールドするモンクストラップは、アルプス地方の修道士が履いていたサンダルを起源とする。そこから派生したダブルモンクはその名の通りバックルとストラップをそれぞれ2対あしらったもので、1940年代にジョンロブ パリの責任者だった2代目のウィリアム・ロブ氏がウィンザー公(エドワード8世)のために考案、製作に当たった。広告塔が当代随一の洒落者とあってセンセーショナルに受け止められたそのデザインは、飛行士のアビエイターブーツがヒントになったと史実にはある。
ジョンロブは次世代のクラシックを創造すべくここ十数年、7000ラストに象徴されるアップデートを勇猛果敢に行ってきた。ダブルモンクも例に漏れない。セミスクエア・シェイプの8000ラストを採用したチャペルがそれだ。ストラップからぐるりと一周一枚の革で仕立てる(!)という驚異的なパターンを具現してみせたダブルモンクは、ジョンロブが目指す先をくっきりと提示した一足と言っていい。
腑に落ちないのは、チャペルをラインナップに加えつつ、オリジンのウィリアムをお役御免としないどころか、後継モデルにウィリアムIIをリリース、共存させている点である。先のシティやフィリップがいずれも潔く代替わりしていることを考えると、これはなかなか興味深い事実だ。謎を解く鍵が、くだんのウィリアムⅡである。
ウィリアムIIは“II”を名乗りながらシルエットやコンストラクションはオリジンを踏襲している。変更点は、トゥキャップをつまみ縫いに、というものだ。より手の込んだモデルを投入するのは、このデザインを不変の存在と捉えている証である。言ってみれば、殿堂入りを果たした別格の一足なのだ。デジタルの時代になってもレコードが愛され続けるように、ウィリアムは脈々と受け継がれていくのだろう。
ウィリアムも最高級のフルグレインレザーが甲を覆っている。ケアを怠らなければ長寿は保証されたようなものだ。サイズさえ合えばあなたの子はおろか、孫だって欲しがるに決まっている。
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―INDEX―
ChapterⅠ 頻度に応じた靴磨き
おろしたての靴磨き/履き終わりの靴磨き/週に1度の靴磨き/月に1度の靴磨き/半年に1度の靴磨き
ChapterⅡ 短時間でできる靴磨き
1分で光らせる/5分でツヤを出す/30分で鏡面磨きを完成させる
ChapterⅢ 上級者向けの磨きを極める
立体感を出す磨きを極める/アンティーク磨きを極める
ChapterⅣ トラブル対策
キズ編/カビ編/塩吹き編/クレーター編/シミ編
ChapterⅤ 磨きがいのある デザイン別 究極の靴カタログ10選
世界文化社刊 1300円+税
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