ワニ革製品の高級度合いを判別する「竹斑」って知ってる?……クオリティの見極めに大切な【上質用語事典/た〜と】

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不要な回り道をせずに”上質”に辿りつきたい人のために、服飾界の目利きたちが頻繁に使う専門用語を解説。これらを覚えれば、今まで以上に高いレベルでモノの吟味ができるようになるだろう。

【た〜と】

竹斑 

竹斑

ワニの腹部の斑紋は、竹の節のように整然と美しく連なっており、これを竹斑と呼ぶ。一方、脇腹部の斑紋は竹斑よりも小さく、形が丸まっているため玉斑と呼ぶ。一般的にワニ革製品は、竹斑をふんだんに用いたものや、竹斑から玉斑への繋がりが自然なものが高級とされる。


ダブルフェイス 製法

ダブルフェイス

冬用ジャケットやコートに見られる、2枚の生地の裏面を縫い合わせて両面表地としたもの。保温性が高く、チラリと内から別生地が覗くために見た目も洒脱に。生地にハリが出るため、芯地を最小限にできるという利点もあるが縫製は難しい。


玉縁ポケット 製法

ジャケットやパンツのポケットの切り込み部分のほつれ止めとして、装飾を兼ねた縁を作って仕上げたもの。切り口の両側にあしらう「両玉縁」と、片側だけにあしらう「片玉縁」がある。

超長綿 素材

綿花は繊維の長さの違いで分類され、超長綿はこのうち最も長い繊維を持ち、平均35mm以上の長さと定められている。紡いだ際の繋ぎ目が少なく、繊細ながらも強い糸となる。滑らかで光沢に富んだ生地が織れる。下記の3種の他にインドのスビン綿、中国北西部の新疆綿が有名。

【覚えておきたい頻出3大超長綿】

ギザコットン

ナイル川流域の一部でのみ収穫できる高級綿。採れる地域によって「ギザ45」「ギザ60」「ギザ77」といった名前に分かれるが、この数字は開発した種の順番。別名エジプト綿。

シーアイランドコットン

カリブ海の西インド諸島の限られた島のみで収穫。日本では海島綿と呼ぶ。16世紀に英国が西インド諸島を領有した関係で長らく英国が栽培を厳格に管理していた。

スーピマコットン

南米ペルーで栽培されていたピマ種の綿花を中心に品種改良したもの。気温が高く乾燥したアメリカ南西部の4州で栽培されている。柔軟性や耐久性、発色性に優れ、型崩れしにくい。

Dかんぬき 製法

Dかんぬき

かんぬきとは、ポケットの縁をはじめ、綻びやすいところを補強するステッチのこと。そのうちステッチが半円状、つまりD型となっているものをこう呼ぶ。半円状だと力が分散され、ポケットが長持ちするからだが、生地や縫製が進化した今日は装飾的な意味合いのほうが強い。


ドネガルツイード 生地

ドネガルツイード

本来はアイルランドのドニゴール地方の農家が手紡ぎ、手織りで作るホームスパン生地のことで、現在も家内工業的に作られる。太さにムラのある紡毛糸を用いることでところどころネップが目立つ、ざっくりとしたラフな味わいの生地が多いのが特徴。写真はこのドネガルツイードの代表格である、マギー社のもの。


トニック 生地

トニック

かつて技術的に不可能とされていたモヘアの高混紡生地を1957年にドーメルが実現。その生地こそがトニック。ハリコシがありシワに強く、独特のツヤをたたえた生地の完成を祝し、ジントニックで乾杯したことからこの名がついた。現行のトニックはキッドモヘア90%+ウール10%。目付け300g。


【ドーメルの名作モヘア混生地】

スーパー ブリオ

スーパー ブリオ

1960年代前半に発表。目付け250gの生地は軽量かつ柔らかで、より暑い気候に適す。ドーメルのモヘア混の中で最も上品なコレクションだ。キッドモヘア60%+ウール40%。


ミスティック

ミスティック

ドーメルのモヘア混生地の入門編的な位置づけ。モヘアの混紡率は5%だが、モヘアらしい光沢やシワ回復性。サラリとしたタッチはしっかり味わえる。目付け250g。




※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2018年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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