CORNO BLU
コルノ ブルゥの新生既製靴


フィレンツェで修業したビスポーク靴職人、清角 豊氏が主宰するコルノ ブルゥ。こちらはサイドエラスティックのレイジーマン「レオ」。
メダリオンはひとつずつ手打ち

肉厚でしなやか、美しい透明感のあるイルチアカーフだが、メダリオンを打つと革が裂けやすいため、ひとつひとつ手で穴を打っている。そのため当然、穴の歪みもなく端正だ。このほか、コバのツメ(横から見たときの上下の突起)など細部にも相当こだわったそうだ。
……と見紛う顔つきの7万円台既製靴
今、かつてない活況を見せるニッポン・ビスポーク業界だが、名を上げた職人が次なる一歩として、続々と既製に注力し始めているのも際立つ風潮だ。
日の出の勢いで邁進する彼らの熱量が充満した既製は大変エキサイティング。こちらのコルノ ブルゥも、キリリと立ったサイドのエッジ、低く抑えた爪先から甲へと繋がる優美な稜線など、ビスポークの趣きを見事に既製で再現している。
実はこちら、以前展開していた既製靴をさらにグレードアップさせた進化版。生産背景や革質などをすべて見直し、世界に誇るクオリティを目指したものだ。特にこだわったのがアッパーの革で、伊イルチア社と長期間やりとりを重ねて仕入れた特注革だそう。フィッティングにもビスポークのノウハウを注入し、プロポーションと履き心地を絶妙に両立させている。これで7万円台というから、なんとも驚きだ。
お問い合わせ先
ブライスランズ&コー
http://www.brycelandsco.com/
[MEN’S EX 2018年8月号の記事を再構成]
撮影/赤尾昌則 文/小曽根広光(編集部)