イタリア・エルバ島生まれのマニュファクチュール時計「ロックマン」、その魅力とは?

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時計特集などでもスイス・メイドの時計が多くを占める中、実は「メイド・イン・イタリー」の時計というのは珍しい。「ロックマン」は、その稀有なブランドの1つだ。イタリア中部にあるエルバ島という海に囲まれた小さな島で、その時計は生まれた。唯一のメイド・イン・イタリーのマニュファクチュール時計の魅力を探るため、時計に精通するライター・まつあみ靖氏が、はるばるエルバ島を訪れた。

イタリア唯一のマニュファクチュール時計、「ロックマン」はどのように生まれたか?

新作「トレミラ」
6月のピッティでは新作「トレミラ」が発表された。

MEN’S EXの読者には、イタリア贔屓の方、多いんじゃないでしょうか? 服にしろ靴にしろ、そのほかのファッション・アイテムにしろ、メイド・イン・イタリーの素敵さは、言わずもがな。では、腕時計は——? 

イタリアもののスーツに身を包んでいても、その手元はスイスを筆頭に、ドイツ、日本勢が幅を利かせているのが実情でしょう。確かにイタリアをオリジンとするウォッチ・ブランドはいくつかありますが、その大半がスイス国内で製造されているのは、ご存知の通り。お目がねに叶う100%(チェント・ペルチェント)イタリアンな時計を、心待ちにしているファッショニスタは、少なくないでしょう。

2018年6月のピッティで発表された新作
2018年6月のピッティのロックマンのブースより。フラッグシップ・コレクションの「モンテクリスト」。

「ロックマン」というウォッチ・ブランドをご存知でしょうか。イタリアはトスカーナ沖のティレニア海に浮かぶエルバ島で1986年に創業といいますから、30年もの歴史を有するブランドです。96年から自社ブランドのモデルを展開し、日本でも一定の認知を獲得してきました。が、どちらかというと、デザイン・ウォッチ志向のブランドという見方をされていたようです。

タリア・エルバ島にあるロックマン本社
イタリア・エルバ島にあるロックマン本社

そんな中、2015年春にロックマン・ジャパンが設立されます。すると、ロックマンは、自社製ムーブメントを有するイタリア唯一のマニュファクチュール(自社一貫生産体制を持つファクトリー)であり、時計学校も運営し、高級とされるフォージド・カーボン・ケースを自社内で切削加工し、コストを大幅に抑えているなど、デザイン性のみならず、本格ウォッチ・ブランドと呼びたくなる情報がいろいろと伝わってくるようになりました。

これは、現場検証をせねば! とエルバ島を目指すことと相成ったわけです。

会社然としていないのがいい、ロックマンの本社オフィス棟。美しい港の目の前、真っ青な空の下に、イエローの壁が映える。

会社然としていないのがいい、ロックマンの本社オフィス棟。美しい港の目の前、真っ青な空の下に、イエローの壁が映える。

本社に併設するブティックも、味のある建物。観光客もよく訪れる。

本社に併設するブティックも、味のある建物。観光客もよく訪れる。

レストランを回想した工房。中が見えないよう反射仕上げになった広い窓には、美しいエルバ島の海が映る。

レストランを回想した工房。中が見えないよう反射仕上げになった広い窓には、美しいエルバ島の海が映る。

フィアット500にペイントを施した社用車「ロックマンカー」もキュート!

フィアット500にペイントを施した社用車「ロックマンカー」もキュート!

工房の窓に反射するヨットハーバー。窓には遮光フィルムが貼られ、外から内部は見えないようになっている。こんな景色を毎日眺めながら時計作りをできるとは、なんて贅沢!

工房の窓に反射するヨットハーバー。窓には遮光フィルムが貼られ、外から内部は見えないようになっている。こんな景色を毎日眺めながら時計作りをできるとは、なんて贅沢!

工房内は、ムーブメントの組み立て部門と、ケーシング・検品部門に分かれている。

工房内は、ムーブメントの組み立て部門と、ケーシング・検品部門に分かれている。

地元を中心に、イタリア人時計師がほとんど。

地元を中心に、イタリア人時計師がほとんど。

スイス・ブランドでキャリアを積んだベテランも在籍。

スイス・ブランドでキャリアを積んだベテランも在籍。

歩度調整も万全の態勢だ。

歩度調整も万全の態勢だ。

「モンテクリスト クロノグラフ」に搭載されるキャリバー。

「モンテクリスト クロノグラフ」に搭載されるキャリバー。

時計学校S.I.O.の丸窓からも海を眺めることができる。

時計学校S.I.O.の丸窓からも海を眺めることができる。

時計学校S.I.O.の内部。教官の手元を拡大し、各デスクでモニターできるシステムも揃っている。

時計学校S.I.O.の内部。教官の手元を拡大し、各デスクでモニターできるシステムも揃っている。

工房の立地はスイスと違っても、整理整頓はスイスと同様。

工房の立地はスイスと違っても、整理整頓はスイスと同様。

フラッグシップモデルの「モンテクリスト」コレクション。

フラッグシップモデルの「モンテクリスト」コレクション。

フォージド・カーボン ケースにカーボンダイヤルを採用した「モンテクリスト カーボン」も人気。

フォージド・カーボン ケースにカーボンダイヤルを採用した「モンテクリスト カーボン」も人気。

300メートル防水のダイバーコレクション「ステルス トレチェントメトリ」。クォーツクロノと自動巻き3針がある。

300メートル防水のダイバーコレクション「ステルス トレチェントメトリ」。クォーツクロノと自動巻き3針がある。

“ファビュラスな1960年代”がコンセプトの「1960」コレクション。シンプルさがいい感じ。

“ファビュラスな1960年代”がコンセプトの「1960」コレクション。シンプルさがいい感じ。

エルバ島と海をこよなく愛するマルコさん。新作時計が出来たら、自身もそれを着用して、マイヨットで海へと繰り出す。

エルバ島と海をこよなく愛するマルコさん。新作時計が出来たら、自身もそれを着用して、マイヨットで海へと繰り出す。

防水なので海上の水しぶきも、何のその!

防水なので海上の水しぶきも、何のその!

新作のトレミラは、3000年先まで使えるようにという思いを込めて作った。明るいカラーベルトは、夏のイタリアの海と相性抜群。

新作のトレミラは、3000年先まで使えるようにという思いを込めて作った。明るいカラーベルトは、夏のイタリアの海と相性抜群。

エルバ島と海を、そしてロックマンの時計をこよなく愛するマルコさん。

エルバ島と海を、そしてロックマンの時計をこよなく愛するマルコさん。

週末は、ロックマンの時計をつけて海に出るのが生きがいだ。

週末は、ロックマンの時計をつけて海に出るのが生きがいだ。

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VOL.341

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