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加藤綾子さん、原晋さん

加藤ちなみに、連覇がプレッシャーになることはないですか?

好きなことをやっているわけなので、プレッシャーはないですね。例えば今日も陸上以外の雑誌に出ることが純粋にうれしいわけで、自分自身が好きでやっていることに対して、結果も含め、外野にあれこれ言われる筋合いはないと思っています。

加藤勝手に言わせておけばいいと(笑)。

「そうおっしゃるなら、あなたが私の代わりにやってください」ってことです(笑)。

加藤私も自分の緊張をほぐすために「もしも何かあったとしても、頼んだ方が悪い」と開き直ることはありますね(笑)。

加藤さんはタフですね(笑)。

加藤否定はしません(笑)。ちなみに原監督は今のような発言もユニークですけど、決して陸上界にべったりでなくて、あくまで冷静な距離感を保たれているというか、独特のたたずまいがおありですね。

僕の場合、陸上界があって世の中があるわけじゃなくて、世の中があって陸上界があるという立ち位置なんです。学生にしてもそう考えていないと、競技がだめになったときに、逃げ場がなくなってしまう。

加藤そういう思いに到達されたのは、何か理由が?

僕自身が陸上にどっぷりつかってこなかった。中国電力に競技者として所属し、引退後は10年間、普通のサラリーマンをした経験が財産になっています。陸上界だけでなく、世の中の動向も見ながら強化を進めていった末に、発展があると思っています。

加藤小さな世界だけで生きていては勝てないと。

特に長距離走の世界は「アスリートたる者、おちゃらけたり、テレビに出ることもナンセンス。365日競技のことだけを考えて、余計なことはせずに練習に励むべし!」みたいな空気がずっとありました。でも、いろいろな世界に切り込んだ方が、人間の幅が広がりますよね。

加藤確かに箱根駅伝を制したチームが積極的に各局のテレビに出るという慣習は、原監督と青学の選手たちが先駆けでしたよね。しかも、そこで見る選手の皆さんは、結構普通の若者だったりもして(笑)。そのことで駅伝そのものも身近に感じられるようになった気もします。

箱根駅伝で初優勝したとき、あちこちにテレビ出演をさせてもらったら「出過ぎなんじゃないか」とえらいバッシングを受けましたが(苦笑)、最近ではちょっと露出が少ないと、逆に「あまり出てないね」と心配されます。

原晋さん

(後編へ続く)

スペシャルフォトギャラリー

[MEN’S EX 2018年5月号の記事を再構成]
撮影/柏田テツヲ(KiKi inc.) スタイリング/後藤仁子 ヘアメイク/陶山恵美(Roi) 文/岡田有加(edit81)

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