青山学院大学 原 晋監督の「適材適所の人員配置」テクニックとは?【加藤綾子/一流思考のヒント】

bool(false)
Facebook
Twitter
友だち追加

第5回「青山学院大学」陸上競技部 長距離ブロック監督 原 晋さん[後編]

「カトパン」ことフリーアナウンサーの加藤綾子さんが一流のトップに組織マネジメントや成功のヒントを探り、そっとシェアする「一流思考のヒント」連載。今月は、青山学院大学陸上部を箱根駅伝に4連覇に導いた名将・原監督。選手の才能を見出し、適材適所に配置し、伸ばしていくその手腕とは——?

>>[前編]はこちら

加藤綾子さん、原 晋さん

※最後に加藤綾子さんのスペシャルフォトギャラリー付き!

Profile
加藤綾子 Ayako Kato
1985年生まれ。2008年フジテレビ入社。2016年よりフリーアナウンサーになり、さらに活躍の場を広げる。現在はフジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「世界に発信!SNS英語術」にレギュラー出演中。

原 晋 SusumuHara
1967年生まれ。中国電力で競技者〜サラリーマンを経て、2004年に青山学院大学体育会陸上競技部長距離ブロック監督に就任し、2009年に33年ぶりに箱根駅伝出場。2015年初優勝、2018年4年連続総合優勝。

若いときから熱く生きて、キャラ立ちした人を目指すが勝ち
(原さん)

終身雇用の時代は過去に認められる場所は己が選べ

加藤バッシングを受けたときは、抵抗されるんですか?

僕はそういう局面に立たされると、逆に燃えます。だいたい選手にももっと暴れてほしくて「ちょっと待て。世の中っていうのはいろいろあるものなんだ」と諭す役目にまわりたいと思っているんですが、いつも一番暴れているのは自分で(苦笑)。そんな僕を「監督がまたやっとるわ……」と選手たちが遠くから眺めているっていう。

加藤おっしゃる通りで、原監督を選手の皆さんが逆に微笑ましく見守っている印象があります。「監督には何も言えない」とかじゃなくて、風通しのいい関係の築かれ方や距離感が素敵だなと。

就任当初は僕も余裕がなかったので、大切な合宿の休憩時間に学生がAKBの話で盛り上がっていても、「もっと陸上に集中しろ!」と怒ったものです。でも最近は「俺は神7の5番が好きなんだよ」と話に入り込んだ後で「彼女たちも同じようにランキングが商売だけど、努力をした子が必ずセンターになる」というような言い回しに変わってきました。ただ頑張れと言い続けるんじゃなくて、学生の目線に自分を調和させる。彼らのスイッチが入るタイミングは、たくさんありますから。

加藤それにしても、原監督は歯に衣着せぬおしゃべりがお上手です! 講演会にもよく呼ばれると伺ったことがあります。

少年の心を持ったおっさんというか(笑)、学生にも常に本気で怒り、褒め、何かと語ったりしてしまう自分のことを「大人げないな」と思うことはありますよ。

加藤でも、きれいごとだけを言うより、本気でぶつかってきてくれる大人の方が、選手も有り難いはずです。

枝葉の部分を指摘してもしょうがなくて、本質の幹の部分にメスを入れないと意味がない。ぐさっとね(笑)。

加藤一番突かれたくないところを、ぐさっと突くわけですね。

学生とは4年間寮で一緒に生活をしますし、彼らは人生をかけて、箱根駅伝に挑戦しようとしているわけですから、本気で向き合っていかないとだめでしょう。共に楽しく暮らして終わりなら、何も本気で怒る必要はない。言うなら、結婚生活と同じですよ。

加藤でも、私は突かれたら、突き返したくなっちゃいます(笑)。

それでいいんじゃないですか。言いたいことを言い合えて、初めて結婚じゃない?

加藤でも、女性は突き返さず、一歩引いた方がいいですよね?

それを強いる人は、そこまでの男ですよ。加藤さんは上り詰めた女性なんですから、「きれいだね」「そこに黙って座ってて」「僕が全部やってあげるよ」みたいな男じゃだめですよ。加藤さんの世界にもある程度入り込んでくる、懐深い人じゃないと。

2024

VOL.341

Spring

  1. 1
2
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop