世界に誇るべき軽自動車3選
ホンダ N-VAN
ビジネス用途だけじゃ”モッタイナイ”（写真3枚）
登録車も含め、今「日本で一番売れているクルマ」がホンダ N-BOXだ。このクルマと同時に開発をスタートし、2018年7月に登場したのがN-VANである。車名からわかるようにN-VANは「軽商用車」のカテゴリーに位置する4ナンバーのクルマである。
基本的な立ち位置としては多くのユーザーのカーライフを支えるのがN-BOXで、ビジネスユースに新風を吹き込むのがN-VANの役目だが、そこはさすがにホンダは上手い。軽商用車をビジネスだけではなく、その高いユーティリティ（積載能力）を活用することでレジャーユースにも対応させようと戦略を立てた点にある。
N-VANは助手席側にはいわゆる「センターピラーを持たない」ピラーレス構造を採用している。これによりリアゲートと同時に助手席側からも大容量の荷物を積載することができる。
ビジネスユースに最適なN-VANではあるが、実はこの構造や使い勝手の良さが趣味の世界でも「使える」のである。
基本的な考えとしてはドライバーズシートは大きく、乗降頻度の高いビジネスシーンでの耐久性も考慮された実に”出来の良い”シートである。一方で助手席や後席は割り切った構造だ。要は運転席以外のシートを全部格納することで広大なフラットスペースが生まれ、そこにアクティビティに必要な荷物が全部積載できることにある。
この空間をどう使うかは文字通りユーザーの「クリエイティビティ」にかかってくる。単に荷物を積載して運ぶだけでなく、作業スペースとして活用することだって考えられる。
余談だが、我々の業界ではこれを「移動オフィスで使ったら面白い」という声をよく聞く。折りたたみ式のテーブルと椅子をセットすれば取材先の帰りにすぐに原稿が書けるわけだ。ネット時代はピッタリなのかもしれないが、筆者にはその力は残念ながらない……。
とはいえ、サーフィンの早朝ライドに合わせ、車中泊をする際などにも最適。また、先進安全技術も「HONDA SENSING」を搭載。このクラスでもACC（アダプティブクルーズコントロール）を装着しているので高速走行時の疲労軽減にも役立つ。
乗って楽しいクルマは数多くあるが、乗る前から、そして降りてからもワクワクするクルマはそうはない。N-VANをビジネスだけに活用するのは本当に「モッタイナイ」のである。
