改めて知っておきたいドレスコード(フォーマル)の今
式典や晩餐会など、「もしも……」の招待の装いをプロが指南!
いざという時に備えて、フォーマルの知識とその装いについて専門知識を持った講師に取材。分かったのは、ドレスコードを守りながらも個性を表現することこそ、今の時代に求められるフォーマルだった。
夜の正礼装(ブラックタイ)は世界的にもタキシードが主流に
礼装は時代とともに変化する。プロトコルには夜の正礼装として「燕尾服(ホワイトタイ)」があっても、実態として燕尾服が使われることがなければ、タキシードを実質的な正礼装としてもおかしくない。
夜の正礼装というのが燕尾服(ホワイトタイ)という認識は確立してはいるものの、もはやパーティのドレスコードでは燕尾服よりもタキシード(ブラックタイ)を指定されることが圧倒的に多くなっています。燕尾服はもはや、オーケストラの指揮者やクラシック音楽の演奏者たちの衣装としての使われ方が主流になってきており、近年はタキシードが夜の正礼装に昇格したと見なす向きがあるのも事実です。
ドレスコードが指定されているシーンは別として、最近ではカラーや素材感にバリエーションを持たせたファンシーなタキシードを愉しむ方々も増えてきています。儀式や宴では「礼装かくあるべき」と、頭でっかちになり過ぎず、本来の型を理解したうえで、変化を受け入れながら自分らしさを表現するのも、近代フォーマルの一つの考え方かもしれませんね。
国際プロトコルに通じる
理想のタキシードスタイル

- シングルのピークトラペル
ショールカラーを採用したモノで新鮮さを愉しむのもあり。 - シルクの拝絹
ラペルはシルクサテンが基本ですが、最近はポリエステルやキュプラも。 - カマーバンド
正装時のベストが簡略化されたもので、シルク製のものが一般的。 - 側章は1本
ジャケットの拝絹地で付けられる帯状の飾りがあるものが正式です。 - ベルトループ無し
タキシード着用の際にはカジュアルなベルトではなくブレイシーズを。

麻布テーラー、上月さんが提案する
タキシードJKのVゾーンはこんなアレンジが上品

肌の露出が少ない、チャコールグレーが新鮮

気心の知れた仲間内でのカジュアルなパーティなどであれば、肌の露出が少ない、タートルニットを合わせても新鮮な雰囲気を演出できます。シックな黒が無難ですが、写真のようなチャコールグレーもちょっと洒落た雰囲気を演出できて面白いと思います。
時に上品に、時に華やかに、ドット柄なら幅広く愉しめる

黒のタキシードは白シャツに黒の蝶タイを合わせるのが基本ですが、黒ベースに白のドット柄をあしらった蝶タイをポイントに遊びを効かせた装いも華やか。結婚式の二次会やブラックタイ指定がないパーティでの崩しにもぴったりです。