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重い電気自動車がラリーカーのように軽快に走る

マカン4
従来型の内燃機関モデルよりホイールベースが86mm長くなっているものの、前後オーバーハングを短くすることで全長は58mm増に抑えている。

まずはマカン4に試乗する。スペックは最高出力285kW(387ps)、最大トルクは650Nm。0→100km/h加速は5.1秒、一充電走行可能距離は、613kmとなっている。もちろんBEVなので動き出しはスムースで申し分ない。ロードノイズや風切りも抑えられており静粛性も高い。そしてポルシェならではなのが、ブレーキのフィーリングのよさ。剛性感、そして狙った位置で停止することができる正確性などはさすがのもの。事前にセットされたナビゲーションに従い、海沿いの道を経てまるでラリーのコースのような山岳路へと導かれる。新型マカンはそれなりに大きく重いクルマのはずなのに、まるでラリーカーのように右へ左へと軽快に走る。

翌日は、ターボに試乗した。スペックは、最高出力430kW(584ps)、最大トルクは1130Nmと1000Nmオーバーに到達している。0→100km/h加速は3.3秒とスーパーカー並み。一充電走行可能距離は591kmとなっている。前日のマカン4でも十分と感じていたが、走り出してみるとすぐにターボの良さにうなってしまう。アクセルペダルに対する反応がいいので、運転が楽だし楽しい。そして乗り心地もマカン4よりもこちらのほうが洗練されている。のちに開発者に確認したところリアアクスルまわりはマカン4とターボでは別物で、独自のセッティングになっているという。

実は当初マカンは、初代のICE(内燃エンジン)と新型のBEVとを、併売するとアナウンスされていた。しかし、欧州域内でいま世界的に対策が求められているサイバーセキュリティ法(コネクティッドカーに対してハッキングなどのセキュリティ対策を定めたもの)が施行されることになり、それに対応していない初代マカンは販売できなくなってしまったのだ。日本でも2022年からOTA(Over The Air)対応の新型車への規制が始まっているが、既存車種には猶予期間があるため、国内ではマカンはしばらくICEとBEVが併売されることになる。ただし、残された時間はそれほど長くはなさそうだ。BEVのマカンが欲しい人はもう少しの辛抱を、ICEのマカンが欲しいならお早めに。

文=藤野太一 写真=ポルシェAG 編集・iconic

<p>ターボ(写真)にはPASM(アクティブサスペンションマネジメント)と電子制御ダンピングコントロールを備えたエアサスペンションを装備。</p>

ターボ(写真)にはPASM(アクティブサスペンションマネジメント)と電子制御ダンピングコントロールを備えたエアサスペンションを装備。

<p>4つのデイタイムライトを備えたアッパーライトユニットを採用、ヘッドライトはその下に配置されている。</p>

4つのデイタイムライトを備えたアッパーライトユニットを採用、ヘッドライトはその下に配置されている。

<p>容量84リッターのセカンドラゲッジコンパートメント(フランク)をボンネット内に配置。</p>

容量84リッターのセカンドラゲッジコンパートメント(フランク)をボンネット内に配置。

<p>ラゲッジ容量は通常540リッター、後席を倒せば最大1348リッターとなる。</p>

ラゲッジ容量は通常540リッター、後席を倒せば最大1348リッターとなる。

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