多彩なレストランで、地のものを贅沢に使ったうれしい食体験


このシェラトン鹿児島では、旅の醍醐味である“食”が充実していて、ふんだんに地元の食材をいただくことができる。ディナーはメインダイニングの“フライングホググリル”にて。取材した日は特別メニューだったので、読者諸賢が同じものをリクエストできるかどうかは不明だが、ザッとご紹介しよう。

まずは垂水産のカンパチとカリフラワーのピュレのアミューズから始まり、XO醬でスパイシーに仕立てたあえて甘くない北京ダックがかなり好みだった。「焼酎飲みたい~」となるはず。

出色な出来映えだったのが霧島サーモンの冷前菜で、エディブルフラワーやディル、イクラで北欧っぽい盛り付けがいい。

鹿児島県産石鯛にズワイガニのカダイフ包み、黒毛和牛のシンタマの薪焼きと魚と肉のメインをいただいて、たけすみと黒糖を使ったシェフ特製のデザート“サクラジマ”がシメとなる。いやはや、大満足。このレストランは、鹿児島市内でも有数になるでしょうな、と感じた。

温泉も入ったし、夕飯も済ませたし、あとは部屋に戻って寝るだけ。でも、なんとなくさみしい。実は先ほどのレストランの横には“ビバリウム”という温室をイメージした、緑の植栽豊かなバーがある。

「ここでナイトキャップを!」と思ったのだけど、まだ開業前で、今度来たときは絶対に入ろうと心に誓う。

それで、ホテルから歩いて、5分のせんべろ系飲み屋へと向かった。おなかはいっぱいだけど、芋焼酎を軽く引っかけてきた。素直に寝ないのって、楽しい時間を引き延ばしたいって、ことなのか。
>>>後編に続く
取材・文/藤村 岳