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モーターの出力向上で走行性能がアップ、ワンペダル・ドライブも可能に

XC60
Ultimateはグリルやトリム、ルーフレールなどをブラックでまとめたスポーティな装い。5ダブルスポークの21インチアルミホイールが装着されている。

今回の試乗車はそのプラグインハイブリッドの最上級モデル「XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」だった。

XC60 エンジン
2リッター直4ターボと前後モーターの組み合わせで燃費を14.3km/L(WLTCモード)とした。

パワートレインは、最高出力253ps、最大トルク350Nmを発揮する2リッター4気筒ターボエンジンと、前後アクスルそれぞれに電動モーターを組み合わせたものだ。まずエンジンは、従来の機械式スーパーチャージャーを廃止。それをフロントモーターで補完することで結果的に低回転域でのトルクとレスポンスが向上している。たかだか4気筒エンジンとタカをくくっていたら、絶妙な制御によってタイムラグなしにスッと加速し、気持ちよく速度がのっていく。

駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は従来型の11.6kWhから18.8kWhへとアップ。EV走行可能距離は81kmまで延びた。モーターの出力もアップし、フロントモーターは52kW/165Nmと据え置きながら、リアモーターの出力は従来の65kWから107kWに、最大トルクは240Nmから309Nmへと向上している。一方でバッテリー量を増やしたとなれば、室内やラゲッジスペースへの影響が懸念されるが、新しいバッテリーの採用や床下のデザイン変更、補器類の配置変更などにより、室内への影響はまったくないという。

リアモーターの出力アップは、走行性能にてきめんに効いている。アクセルペダルへの入力に対してレスポンスよく反応し、のぞめばとてもパワフルに加速する。そしてこのモデルより、ワンペダル・ドライブが可能になったことも朗報だ。先のGoogle搭載の恩恵というが、システム上で、オンオフの切り替えが可能になった。

またグーグルマップで目的地設定をすれば、カメラ&レーダーシステム、クラウドからの予測ルートなどによって取得したデータに合わせ最適なエネルギーマネジメントを行ってくれる「ビークル・エナジーマネージメント(VEM)」を搭載する。要はルートを予測しエンジンを始動、停止、EV走行などを自動的に切り替えてくれるというものだが、エンジンとモーターの切り替わる瞬間は、意識していなければまったく気づかないほどスムーズだ。

例えば、深夜に遠方から高速道路を利用して帰宅する際、自宅の近所では静かにEV走行したいといったシーンでは、チャージモードを選択するといい。高速走行中にエンジンを使ってバッテリーをチャージしておいて、高速をおりればPureモード(EV走行モード)に切り替えるといった使い方ができる。

そして、何よりも安全にこだわるボルボだけあって、ADAS(先進運転支援システム)の充実ぶりがすごい。衝突回避・被害軽減ブレーキシステムや前走車を追従するACC、ステアリング操作を支援するパイロットアシストなど実に20以上もの先進安全・運転支援機能を全車に標準装備する。

「XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」のディテールをチェック(画像5枚)

<p>Ultimateはマット仕上げのライムウッドを使用したパネルを採用、オレフォス社製クリスタル・シフトノブも備わっている。</p>

Ultimateはマット仕上げのライムウッドを使用したパネルを採用、オレフォス社製クリスタル・シフトノブも備わっている。

<p>Ultimateのコンフォートシートにはファインナッパレザーを採用。Plusはツイード調のテキスタイル・コンビネーションシートが備わる。</p>

Ultimateのコンフォートシートにはファインナッパレザーを採用。Plusはツイード調のテキスタイル・コンビネーションシートが備わる。

<p>リアシートは60:40分割可倒式となる。後席を使用していない時に、後方視界を向上させるためヘッドレストが電動で前に倒れる機能が備わっている。</p>

リアシートは60:40分割可倒式となる。後席を使用していない時に、後方視界を向上させるためヘッドレストが電動で前に倒れる機能が備わっている。

<p>テールゲートとダッシュボードのボタンで自動開閉するパワーテールゲートを装備。オープン時の高さを低く設定することもできるので、天井の低いガレージでも便利だ。</p>

テールゲートとダッシュボードのボタンで自動開閉するパワーテールゲートを装備。オープン時の高さを低く設定することもできるので、天井の低いガレージでも便利だ。

2017年に国内導入が始まったXC60だが、こうして毎年改良が加えられ、いまや走行性能や乗り心地なども別物のように洗練されてきた。従来のプラグインハイブリッドといえば、EV走行可能距離が短くて、すぐにエンジンを始動するものが多かった。しかし、ここまでEV走行が可能となれば、子供の送り迎えや買い物など日常生活はほぼEVでカバーできる。電欠の不安に怯えることなく、“いつもはEV、ときどきエンジン車”として使えるスグレものだと思う。

文=藤野太一 写真=阿部昌也 編集=iconic

<p>Ultimateはマット仕上げのライムウッドを使用したパネルを採用、オレフォス社製クリスタル・シフトノブも備わっている。</p>

Ultimateはマット仕上げのライムウッドを使用したパネルを採用、オレフォス社製クリスタル・シフトノブも備わっている。

<p>Ultimateのコンフォートシートにはファインナッパレザーを採用。Plusはツイード調のテキスタイル・コンビネーションシートが備わる。</p>

Ultimateのコンフォートシートにはファインナッパレザーを採用。Plusはツイード調のテキスタイル・コンビネーションシートが備わる。

<p>リアシートは60:40分割可倒式となる。後席を使用していない時に、後方視界を向上させるためヘッドレストが電動で前に倒れる機能が備わっている。</p>

リアシートは60:40分割可倒式となる。後席を使用していない時に、後方視界を向上させるためヘッドレストが電動で前に倒れる機能が備わっている。

<p>テールゲートとダッシュボードのボタンで自動開閉するパワーテールゲートを装備。オープン時の高さを低く設定することもできるので、天井の低いガレージでも便利だ。</p>

テールゲートとダッシュボードのボタンで自動開閉するパワーテールゲートを装備。オープン時の高さを低く設定することもできるので、天井の低いガレージでも便利だ。

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