長い歴史の中で生まれたアーカイブが終結! 「グローブ・トロッターの125年」展潜入レポート

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The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––

最高級のラゲッジアイテムを展開することでしられる、英国老舗ブランドのグローブ・トロッター。昨年に創業125年を迎えた同ブランドはそれを記念し、自社の歴史を振り返る巡回展「The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––」が2022年12月にグローブ・トロッター銀座店にて開催された。

創業当初に販売されたモデルや、数多の有名ブランドとのコラボスーツケースなど、様々なアーカイブが一堂に会したこちらの展示会に潜入し、その様子をレポート!

貴重な展示を見逃した方のために、本記事の前半ではグローブ・トロッターの歴史的なモデルを紹介し、さらに後半ではCEOのヴィセンテ・カステラーノ氏へのインタビューを掲載する。グローブ・トロッターの魅力を掘り下げた本記事を、ぜひ最後までチェックしてほしい。

1800年代後半の元祖スーツケースから
名ブランドとのコラボまでが揃う

The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––

1897年の創業から現在までの進化をたどる本展示会では、創業当初に製作された貴重なスーツケースが展示された。現在のスーツケース同様に、ヴァルカナイズド・ファイバーボード(通称ヴァルカン・ファイバー)の素材と、レザーのコーナーパーツで仕上げられたこれらのアーカイブ。そこからは、同ブランドの伝統的製造手法が今も脈々と受け継がれていることが見てとれる。さらに時を重ねて愛用されることによるヴィンテージ品ならではの表情も、現行のモデルがどのように経年変化するのかを教えてくれる。

The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––
上の2つ:「1958年頃 バーガンディ16インチハットケース ヴァルカン・ファイバー 英国製」、「ブルー/ネイビー26インチスーツケース ヴァルカン・ファイバー 英国製」
下の2つ:「1897年頃 元祖ブラウン16インチスーツケース ヴァルカン・ファイバー サクソニー製」、「1935年頃 ネイビーシューズケース ヴァルカン・ファイバー 英国製」
The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––
上の2つ:「1970年頃 アイボリー26インチパーソナライズスーツケース ヴァルカン・ファイバー 英国製」、「レッド26インチスーツケース ヴァルカン・ファイバー 英国製」
下:「1997年 サファリコレクション ヴァルカン・ファイバーとレザー 英国製」

メゾンブランドから世界的ロックバンドまで! 
幅広いコラボレーションを展示

The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––

長い歴史と伝統的に受け継がれる製作手法により、グローブ・トロッターというとクラシカルなイメージを持つ方も多いだろうが、実はかなり挑戦的で、現代に沿ったモノ作りを行うことを知っているだろうか。そのような姿勢は、多彩なコラボレーションにも表れている。

それは、アレキサンダー・マックイーンやコム・デ・ギャルソンのような気鋭のトップデザイナーブランドから、ザ・ローリングストーンズのような世界的ロックバンド、そして、ティファニーやグッチ、エルメスのような最高峰のメゾンブランドまで非常に幅広い。

今回の展示では、当時話題になった多彩なコレボレーションが集まった。それらの逸品たちからは、伝統的なつくりを受け継ぎつつ、トレンドやその時代の空気感を自らのモノ作りに取り入れる、ブランドの柔軟な姿勢を感じられるだろう。

The 125 Years of Globe-Trotter––グローブ・トロッターの125年––
「2016年 グローブ・トロッター×アレキサンダー・マックイーン」
「2016年 グローブ・トロッター×アレキサンダー・マックイーン」
アレキサンダー・マックイーンとのコラボで生まれた13インチのミニユーティリティケースと21インチのトロリーケースの2種類の限定ケース。ヴァルカン・ファイバー製のケースの全面にシルバーのスタッズとリベット留めの装飾や髑髏の南京錠が特徴的。ライニングにはアレキサンダー・マックイーンのシグネチャーであるアイボリーとブラックの髑髏柄がプリントされた。
「2014年 グローブ・トロッター×コム・デ・ギャルソン」
「2014年 グローブ・トロッター×コム・デ・ギャルソン」
川久保 玲氏により立ち上げられたコム・デ・ギャルソンは、当時ファッションシーンに大きな影響を与えていた。タータンチェックの外装からはパンクカルチャーへのオマージュを感じられる。
「2017年 ティファニー×グローブ・トロッター」
「2017年 ティファニー×グローブ・トロッター」
米国の最高峰メゾンであるティファニーとのコラボは、トロリーケースのみならず、ヴァニティケース、そしてジュエリーケースを製作。ティファニーブルーのヴァルカン・ファイバー製は本作のために特別につくられた。
「2018年 グローブ・トロッター×グッチ」
「2018年 グローブ・トロッター×グッチ」
1921年、「グッチ」の創業者であるグッチオ・グッチ氏は、ロンドンの名高いサヴォイ・ホテルでポーターとして働いていた時の経験を活かし、1921年にラゲッジ工房をフィレンツェに構えた。その約1世紀の後、同ブランドはグローブ・トロッターのもとでハンドメイドの新しいラゲッジコレクションをつくり両ブランドの結びつきが深まっていった。2018年当時のクリエイティブディレクターであったアレッサンドロ・ミケーレ氏も、グローブ・トロッターのラゲッジを愛用していたという。大胆なプリントやグッチのダブルGスプリームのパターン、さらには竹のハンドルを特徴とし、このコラボを製作するための研究開発により、グローブ・トロッターは初めての4ホイールケースとともに、革新的なデジタル印刷技術を獲得した。

ライニングのアイコニックなモチーフが印象的なコラボモデルも登場

コラボモデル
コラボモデル
左:『2021年 グローブ・トロッター×BOAC』
初めて「ジャンボジェット」と呼ばれた航空機として有名なブリティッシュ・エアウェイズ747の引退を祝した記念モデル。同航空機のモチーフが内装デザインに施されているのが印象的だ。
右:「2010年 ウォールペーパー グローブ・トロッター限定版ラゲッジ」
Wallpaper* マガジンのエッセンスを凝縮したクラシックなブルーのスーツケース。ライニングには受賞歴のあるイラストレーター、ラッセル・ベル(Russell Bell)によるマンハッタンを俯瞰したイラストが施された。

2022カタールW杯にも同行!?
日本サッカー協会(JFA)の100周年記念モデルとは?

『2021年 グローブ・トロッター×日本サッカー協会(JFA)』
『2021年 グローブ・トロッター×日本サッカー協会(JFA)』

2021年には日本サッカー協会(JFA)創設100周年を記念して、サッカーファンと日本代表チームの両者を対象とした限定スーツケース「愛称SAMURAI BLUE」も展開された。様々なコレクションのなかには、クラシックなヴァルカン・ファイバーモデルと最新鋭のカーボンファイバー版も含まれ、SAMURAI BLUEチームの世界ツアーにも帯同された。

今回は、貴重なグローブトロッターのアーカイブを巡り、「グローブ・トロッターの125年」の展示をお伝えした。

記事後半の『創業125周年特製モデルが登場! CEOが語るグローブ・トロッターの強みとは?』では、125周年を記念した特性モデルの紹介と、グローブ・トロッター CEOであるヴィセンテ・カステラーノの直接インタビューを通して、同ブランドが長い歴史により培われてきた魅力についてお伝えする。

グローブ・トロッター お問い合わせ先

グローブ・トロッター 銀座
住所:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座 1F
TEL:03-6161-1897
URL:https://jp.globe-trotter.com/

文=十万馬力

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