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“スポーツカーのレシピ”で運転が楽しい

Q4 e-tron
ボディ右側に充電口を設置。走行距離100km分の充電は90kWの急速充電で約9分、8kWの普通充電で約1時間40分となる。

シフトセレクターを指先でDに入れて走りだす。BEVゆえの静粛性の高さ、レスポンスのよさ、加速のスムーズさが伝わってくる。アクセルペダルを少し強めに踏み込んでも乱暴に加速するようなことはない。そのあたりはRWDだけにより慎重にチューニングされているだろう。コーナーにさしかかり、ステアリングをゆっくり切り込んでいくと、コーナリング中の姿勢は終始安定している。RWDということもあって前輪は操舵を、後輪は駆動を、それぞれ役割分担しており、かつ前後重量配分はほぼ均等な48:52。これはまさにスポーツカーのレシピ。だから運転がとても楽しい。

ハンドル
スタートボタンが備わるものの、ブレーキペダルを踏むだけでイグニッションはオンとなる。知者時もサイドブレーキボタンを押してからブレーキペダルから足を離せばオフになってくれる。

走行中の回生ブレーキの強さは、ステアリング裏側に備わるパドルシフトで4段階に調整が可能。また、アウディ初というBモードを備えているので、DからBへとシフトすれば、最大レベルの回生ブレーキが得られるので、走行中はいわゆるワンペダルに近いドライブ感覚が味わえる。ただし、完全停止はしないので、最終的にはドライバーがブレーキペダルを踏む必要がある。このあたりはドイツメーカーによく見られる、最後はドライバーの意志で操作を、というメッセージのあらわれだろう。

BEVにとっても懸案事項である充電に関しては、Q4 e-tronは94kW 急速充電(CHAdeMO規格)に対応している(22年8月末現在)。そしてアウディジャパンはポルシェジャパンとともに独自の150kW急速充電器ネットワーク「プレミアム チャージング アライアンス」を展開しており、先日新たにフォルクスワーゲン ジャパンの加入が発表された。これによりフォルクスワーゲングループの3ブランドを足し合わせた約210拠点にある、222基の90〜150kW急速充電器が段階的に使用可能になるという。これだけの急速充電ネットワークがあれば、ますますBEVの利便性が高まるだろう。

Q4 e-tronの発表会で、アウディジャパン ブランド ディレクターのマティアス シェーパース氏は、日本の新車販売においてわずか1%ほどしかないBEVの割合を高めていく戦略的モデルだと述べていたが、まさにこれからのアウディを担う重要なモデルと言えそうだ。

文=藤野太一 写真=河野敦樹、アウディ ジャパン 編集=iconic

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