本格眼鏡とは? なぜ本格眼鏡が必要なのか? どんなブランドがあるのか? を一冊で網羅する『本格眼鏡大全』が発売に。1000本ものフレームが掲載された本書から、ここでは本格眼鏡の基礎知識をピックアップしてご紹介する。
これだけ覚えておけば大丈夫!
本格眼鏡の基礎知識
「本格眼鏡の世界は奥が深い」。だからこそ基本的なパーツ名やフレームの形を知っておけば見るべきポイントがわかって選びやすくなる。まずは本格眼鏡の基礎知識を紹介しよう!
基礎知識【中級編】
本格眼鏡の選び方
「本格眼鏡は決して安い買い物ではない」。だからこそフレームのディテールや専門店でのサービスなど、見極めポイントがいくつかある。ここに基本を紹介する。
パッと見は同じでも細部を見れば一目瞭然
本格眼鏡を選ぶ際の見極めポイントは「フレーム」と「お店」である。パッと見ると同じようなスタイルに見えても、眼鏡は細部の作りを見れば安物と本格の違いは一目瞭然だ。デザインは見た目に及ぼす影響も重要だが、ヨロイの厚みやノーズパッドの強度など、パーツの作りの1つひとつが掛け心地や調整のしやすさに関わってくる。そのため、本格眼鏡はmm単位での緻密な設計の見直しや、独自パーツの開発など、機能性を高める工夫が随所になされているのだ。
つなぎ目やヒンジといった作りの話は少し専門的になるが、眼鏡の場合はこうしたディテールの作り込みが全体の質の高さにつながる。それは見た目の美しさや掛け心地の良さ、長く使っても壊れにくい耐久性の高さなど、すべてに関係してくる。まさに“神は細部に宿る”である。
お店選びも重要なファクターだ。本格眼鏡を購入するなら、自ずと専門店になるが、商品の目利きや接客、検査までハイレベルな店を選びたい。例えば、陳列している商品以外にも豊富なストックがバックヤードに用意してあったり、認定眼鏡士がいるお店だったりと、参考にしたいポイントはいくつかある。何より、専門店には本格眼鏡のデザインや機能、歴史などについて豊富な知識を持った目利きのオプティシャンがいる。
お店に行って眼鏡を見ながら、気になることをどんどん聞いていくうちに、本格眼鏡やその店の良さがわかってくるはずだ。
つなぎ目はぴったり合うか?
フロントとテンプルのつなぎ目がぴったりと合うか試してみよう。上の写真では開いたテンプルを閉じると、ピタッと「合口」が合っている。パーツ自体の精度が高いのはもちろん、仕上げで細かな段差を落とすなど、一手間かけているのだ。つなぎ目が合っていると見た目が美しく、調整しやすく、長く使ってもへたりにくい。
形状に緩急はあるか?
フロントからテンプルにつながるヨロイ部分は、カーブしているところが薄くなっているのがおわかりだろうか。実はヨロイに薄い部分を作ることで、素材に柔軟性が生まれて曲げやすくなり、細やかなフィッティングに対応できる。顔幅に合わせて広げたり、耳の高さに合わせて傾斜をつけたりと調整がしやすくなるのだ。
ノーズパッドは頑丈か?
眼鏡がズレないように鼻の上に当てるノーズパッドは、破損や不具合が起こりやすいパーツのひとつだ。金具付きのクリングスパッドはしっかりと溶接やネジ留めされているなど、強度の高いものを選びたい。使っているうちにクリングスの金具が歪んだり、鼻当たりが悪くなったりした場合は、購入店でメンテナンスしてもらおう。