オリジナルの姿をできるだけ残し、EV化による変更を最小限に
過去に手掛けたエレクトリック・レストモッドはジャガー XK120(XK140、XK150まで対応可能)、ベントレー S1コンチネンタル・フライングスパー(1955年~1965年式S1/S2/S3の2ドアならびに4ドアで対応可能)、初代レンジローバー、ロール・ロイス ファントムVなどが挙げられる。
いずれの車両もレストアの観点から見て、非の打ちどころがないレベルで仕上がっている。車両は部品すべてを取り外し、塗装は剥離したうえでリフレッシュ。内燃式エンジン用の装備はすべて取り払ったうえで、EV化をしている。
そればかりかEV化に伴う変更点も最小限に抑えられているのが特徴的と言えよう。エクステリアを見ただけで、EV化されたことはまずわからない。インテリアでさえ、カーナビが装着されてアップデート感こそあれど、オリジナルの雰囲気は崩れていない。例えば充電口は既存の給油口に設置したり、燃料計がバッテリー残量計に置き換えられたり、とオリジナルの姿をなるべく温存しているのだ。
足回りやブレーキ回りはEV化に伴う重量増加に対応したものにアップデートされているほか、古いクルマがベースなだけにエアコンも見直されているのは嬉しいレストモッドだ。気になる航続距離は選択するバッテリー容量によって異なるが、概ね300マイル(480㎞)と発表されている。
Lunaz Deignが手掛けた初代レンジローバーは25万ポンド、ファントムVは50万ポンド、S1コンチネンタル・フライングスパーは35万ポンド、と決して安くはない。クラシックカーといえば何かと高騰ぶりが話題となるが、エレクトリック・レストモッドがどう評価されるかは、これからわかるだろう。