使い勝手と価格差でアバントをおすすめ

後発のディーゼルエンジンだけに洗練度が高い。運転席に座っている限りはディーゼル特有のノイズを感じることもほとんどない。「40TDI」にはMHEVは搭載されていないが、動き出しのスムーズさはA4シリーズに共通する美点だ。そして1750〜3000回転で最大トルクの400Nmを発揮するだけあって、アクセルペダルに少し力をこめるだけで街の流れをリードできる。
足元にはオプションの245/35 19インチサイズのピレリPゼロを装着していた。スポーツタイヤだけに乗り心地への悪影響が懸念されたけれど、ダンピングコントロールスポーツサスペンションを組みあわせており、ドライブセレクトを「コンフォート」にセットしておけばしなやかに走る。よりスポーティに走りたい際には「ダイナミック」を選択すればいい。

アウディの代表作ともいえるアバントは、スタイリングも性能も実にバランスのとれたクルマだと思う。ディーゼルならロングドライブも得意だ。ラゲージ容量もリヤシートを折りたためば、最大1495リッターにまで拡大するからゴルフや趣味にも使いやすい。オートマチックテールゲートも標準装備する。これでセダンとの価格差は約30万円。私ならアバントを選ぶ。
文/藤野太一 写真/郡大二郎 編集/iconic