東京五輪ゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める丸山茂樹プロが、オリンピアンたちと語らいながらライフスタイルを深掘りする本企画。第10回のゲストは、競泳の入江陵介さん。
【Fun for Win】VOL.10
東京五輪ゴルフ日本代表ヘッドコーチ 丸山茂樹×入江陵介[後編]
丸山茂樹さん
1969年生まれ。千葉出身。日本ツアー通算10勝。2000年より米ツアーに参戦して3勝。2002年には伊澤利光プロとゴルフワールドカップを制する。現在はゴルフ解説やメディアで活躍する傍ら、ジュニアゴルファーの育成にも尽力。東京五輪ではリオ五輪に続き、ゴルフ日本代表のヘッドコーチを務める。愛称は“マルちゃん”。セガサミーホールディングス所属。
入江陵介さん
1990年生まれ。大阪出身。0歳から水泳を始め、高校総体200m背泳ぎにて高校新記録で優勝して以来、日本水泳界をリードする存在に。2012年のロンドン五輪では、100m背泳ぎ、200m背泳ぎ、400mメドレーリレーの3種目で3つのメダルを獲得。2020年『それでも、僕は泳ぎ続ける。心を腐らせない54の習慣』(KADOKAWA刊)を上梓。
丸山 現地でのオフはどのように過ごされていたんですか?
入江 練習後、チームメイトとブランチに行ったり、飲みに行ったりしていましたね。日本では練習後は身体を休めるために外出を控えがちですが、アメリカではオフを心から楽しみます。実際、そのほうが自分自身もリラックスできる気がしました。
丸山 日本人は真面目ですよね。僕は翌日ゴルフの約束があっても、クタクタになるまで遊んだりもしますが。
入江 チームメイトとプライベートを一緒に過ごすのは、日常英会話を学ぶためでもありました。練習中に話す英語は、競泳の専門用語ばかりなので。
丸山 普段使いの英語は、なかなか覚えられないですものね。現在のオフはどう過ごされているんですか? 趣味はピアノと伺いましたが。
入江 ピアノは中学生まで習っていましたが、その後は競泳に集中したので、今は友人の結婚式などで、ときどき弾く程度です。
丸山 アロマオイルが好きで、朝礼で倒れるほど繊細。しかもピアノまで弾けるなんて、女性にもてる要素しかありませんね。
入江 もてる要素、ありましたか?(笑)
丸山 女性はそういう人に弱いんですよ。僕も、もしもピアノが弾けたならなあ。ピアノで培ったリズム感などは、競泳に生きていたりしますか?
入江 リズム感やテンポは、ある程度ピアノで身に付いたのかなと思います。音楽そのものは、今でも大好きですよ。
丸山 競泳選手というと、試合前にヘッドホンをして音楽を聞いているイメージがありますが、入江さんは?
入江 自分の世界に入って集中を高める選手は多いですね。僕は誰かと話したり、辺りを見回したりして、会場の雰囲気を感じながら適度にリラックスして試合に臨んでいます。
丸山 わかります。僕も会場の雰囲気に慣れてリラックスしたいタイプです。松ぼっくり拾いに夢中の妻を見つけて、びっくりすることもありますが。
入江 松ぼっくりですか?(笑)
丸山 趣味のガーデニングで使うのか、大きな松ぼっくりを探しては誇らしげに見せたりするんですよ。僕のバーディなんか見ちゃいない。息子の奨王はゴルファーなので、真剣に見てくれるんですが。
「入江さんは肩が柔らかい! ゴルフの才能があります」(丸山さん)
入江 試合中の過ごし方は、選手それぞれですよね。一番大切なのは、自分がリラックスすることなのかなと思います。
丸山 ゴルフの場合、18ホールを4時間半かけて回るので、その日のムードは同伴プレイヤーの雰囲気に拠るところが大きいですね。入江さんはゴルフをされるんですか?
入江 練習場へは何度か。
丸山 僕のゴルフ仲間である北島康介君は、どんどんゴルフの腕前が上達していますよ。
入江 2020年ハンガリーで開催された国際競泳リーグに、ゼネラルマネジャーを務める北島さんと参加したんですが、現地にクラブを持ち込んで、素振りやパターの練習をされていたようです。
丸山 彼はゴルフが大好きですからね。入江さんも才能が大いにあると思いますよ。競泳選手は肩が柔らかいですから。
入江 そのほうが有利なんですか?
丸山 スイング時は肩をグイッと入れるので、肩甲骨が柔らかいほうが無駄がない。反対に硬いとアクションが大きくなってしまうんです。入江さんも北島兄貴を見習って、本格的にゴルフを始めてみては? 今日はジャケットがよくお似合いですが、普段のファッションはどのようなスタイルがお好きですか?
入江 あまりこだわりはなく、その場に合った服を選びます。ただ、肩が大きいので、スーツの場合は上下で異なるサイズを選ぶことが多いですね。
丸山 スイマーの体型は理想的な逆三角形ですものね。ゴルファーの体型は台形なので、羨ましい悩みです。