“フロントミッドシップ”は伊達じゃない
ボディサイズは、全長4465mmとコンパクトかつ、全幅1942mm、全高1273mmと、ワイド&ローな、まるで絵に描いたようなスポーツカーのプロポーションだ。ボディ骨格はアストンが得意とするアルミ押し出し材を接着してスペースフレームを構成するタイプで、ホイールベースは2704mmと DB11比で100mm短縮して2シーター用に仕立てている。
エクステリアデザインは、ボンネット上に切り欠きがないこともあって、抑揚なく見えるが実際には非常に凝った造形をしている。くびれたボディサイドや大きく張り出した筋肉質なリアフェンダー、そしてうねりのあるリアまわりなど、まるでクリーチャー(生物)のようだ。モダンでエレガントかつアグレッシブな近年のアストンマーティンデザインの最先端をいくものだ。
インテリアデザインもまたクリーチャーのようだ。フラットボトムデザインのステアリングホイールをはじめ、肉厚なシートやドアの内張りなども直線がなく、複雑な造形が用いられている。センターコンソールにはアストンではおなじみのクリスタル製エンジンスタートボタンをはじめ、さまざまなボタンを配置。ナビゲーションやタッチパッドなどのインフォテインメント系はメルセデス譲りのものが採用されている。
エンジンはメルセデスAMG GT譲りの4リッターV8ツインターボをフロントミッドシップに搭載する。ボンネットを開くと限りなく乗員空間に近いバルクヘッド付近に配置されていることがわかる。トランスミッションは8速ATで、デフと一体化して後部に配置するトランスアクスル方式を採用する。車検証をみても、フロント850kg、リア880kgで49:51と限りなく理想的な重量配分を実現しており、“フロントミッドシップ”という謳い文句が伊達でないことがわかる。