FRを成立させるのは基本骨格のバランス

最高出力510ps、最大トルク685Nmを発揮するV8エンジンは、2000〜5000回転までフラットにトルクが出るタイプで、1530kgのボディをいともたやすくワープさせる。ドライブモードは、ベーシックが「スポーツ」で、それよりハードな「スポーツ+」、そしてサーキット仕様の「トラック」の3段階がある。一般的なノーマルや、コンフォートという設定はなく、それは実際のかたさもそうだが、ヴァンテージのスポーツカーであるという立ち位置をあらわしたものだ。
実際のところDB11よりは乗り心地はかためだが、スポーツモードであれば街乗りはもちろんなんなくこなす。「スポーツ+」、「トラック」と進むにつれてエンジンの出力特性も足回りの設定もワイルドに変貌していくことになるが、もちろん市街地向きではなくワインディングやサーキットなど、TPOに合わせてということになる。
新型ヴァンテージがすごいのは、500psを超えるスポーツカーを、2駆のFRで成立ささせている点にある。いまどき500ps超は4WDを選択するのが一般的だが、アストンは前後重量配分など基本骨格のバランス良さをもって実現している。したがって、大きなV8エンジンをフロントに搭載しているにも関わらず回頭性がよく、またトラクション性もいい。さらに言えばマニュアルトランスミッションを用意している点もいい。なんともダンディーで通好みの、ピュアスポーツカーなのだ。
文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic






