ゴルフバッグだって積める
マクラーレンがスポーツ・スーパー・アルティメットに次ぐ第4のシリーズ、GTをリリースした。マクラーレンらしさを失わないミドシップスポーツカーでありつつも、快適性と実用性、さらにはラグジュアリィ性をも新たに備えた、言ってみれば”贅沢スーパーカー”シリーズの誕生だ。
ベースとなったのは最新のスーパーシリーズ720S。けれども内外装のデザインはもとより、自慢のカーボンモノコックボディや、4L V8エンジンと7速デュアルクラッチミッションのパワートレーン、さらには電子制御のシャシーセッティングなどなど、メインとなるメカニズムパートはすべて専用チューニングを受け、従来のシリーズ群とはひと味もふた味も異なる世界観を提案している。
従来のマクラーレンシリーズといえば、”世界一のレーシングカーコンストラクター”ブランドらしく、見た目にエアロダイナミクス性能の高さを誇示するデザインを採用していた。GTもまた空力的に優れていることは論を待たないが、デザイン的にはあくまでもエレガンス性を重視しており、”汗臭さ”とは無縁のシンプルかつ優雅なラインで構成されている。
とくに、水平に切られたユニークなハンマーシェイプのノーズや、磨かれた玉のように美しいルーフライン、そしてグラマラスなリアフェンダーにボクは惹かれた。ノーズの位置が高いのは、段差などを乗り越えやすくするためで、ドイツ製スポーツサルーンと変わらない地上高とアングルを備えている。
幅が広く(2m超え)、そして長く高くなったから、実際にGTを目の当たりにすればそのサイズの大きさに驚かれるかも知れない。
マクラーレンは炭素繊維強化樹脂(CFRP)を成型して造った独自のボディ骨格(モノコックボディ)を全てのモデルに使ってきた。そのボディ&シャシーを起点にサスペンションシステムを備え、サブフレームを介してエンジンその他を搭載するという、レーシングカーとよく似た構造を採っている。