だからこそ“より格好よくてより高級でより高性能なモデルが欲しい”といった“人とは違う”ニーズも生まれ、それに応えるブランドやモデルが続々と登場する。山の頂きを上げれば裾野は広がるもの。セダン時代もそうだったのだ。
まるでセダンの5シリーズのようにワインディングロードを駆けぬけた初代X5が登場したのは約20年前だった。その間、第二世代のX5および初代X6には新たにMのハイパフォーマンスモデル=X5MとX6Mも設定された。そしてこんどはSUVがまるでM5のようにサーキットを駆けぬけたのだ。高い視線ゆえ狙ったラインを攻めやすいというこれまでないドライバビリティによって高性能モデルの新たなジャンルを開拓したと言っていい。
初代X5がデビューした後、ポルシェをはじめとするプレミアムブランドがこぞってスポーツタイプのSUVを開発した。今となってはスーパーカーブランドまでもがSUV市場に主戦場を移しつつあることは承知のとおりだ。
ガヤルドより速い! その性能はスーパーカー顔負け
まわりくどくなったが本題に移ろう。最新の第四世代X5(第三世代X6)にもX5MとX6Mが追加された。グレード設定は最近のMモデルの流儀に則り、「スタンダード」と「コンペティション」の2タイプをそれぞれに用意する。X5MとX6Mのハードスペックはほぼ同じ。数字で分かる違いといえばX5Mのほうがわずかに重い程度である。