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3列目シートはあくまでエマージェンシー

いくらアメリカや中国といった“広い市場”で人気のミッドサイズSUVとはいうものの、そろそろモデルチェンジごとのサイズアップはやめて欲しいと思う反面、歓迎すべきことにGLCクラスやGLB、GLAクラスといった下位モデルもまた立派になっている。

要するに下位モデルの仕様が豊かになればなるほど上位モデルもまた輪をかけて豊かになっていかざるをえない(そうでなければ秩序が保たれない)。台数を稼ごうと思えば裾野を広げるほかないわけで、ユーザーのボディサイズに対する価値観が規制や法律によって変えられることでもないかぎり、この傾向は続くことだろう。

新型GLEクラスにおいてホイールベースがかくも延長された理由は、ずばり3列目シート=7人乗りスペースの確保だ。日本仕様では3列シート仕様が標準で、ミニバン的使い方もやろうと思えばできる。

とはいえ3列目はあくまでもエマージェンシー的な使い勝手でしかない。無理に7人乗りで使うというよりも、3列目を畳んでラゲージスペースとする5人乗り使いがメインとなる。従来型よりも荷物が沢山積めるようになったという点こそ、新型GLEクラスの魅力かも知れない。

メルセデス・ベンツ GLE 400d 4MATIC
GLE 400d 4MATICのボディサイズは全長4930mm×全幅2018mm×全高1795mm。ホイールベースは旧型比+80mmの2995mmとなる。価格は1109万円。

ベストチョイスは直6ディーゼルを積むこのモデル

実際に大きくなったからといって、それが乗りづらさに繋がるとは単純に言えない点も面白いところだ。もちろん駐車スペースのような物理的な制約に不便が増えることは確かだけれど、幅2mを越えたからといって途端に運転が難しくなるわけじゃない。バスやトラックの通る同じ道を乗用車も走るのだから、むしろ気にするべきは大きくなったことを必要以上に乗り手が感じてしまうかどうか、という点にこそある。

その点、新型GLE400d 4MATICは走り出した瞬間からそのサイズを忘れさせてくれるSUVだった。搭載されたパワートレーンはOM656と呼ばれる3リットル直6ディーゼルターボに9速AT+4WDシステムを組み合わせたもので、最大トルク700Nmをわずか1200回転から発揮する。これが効いているのだ。

<p>フラッグシップサルーンのSクラス同等の運転支援システムを標準で採用。アクティブブレーキアシストには、右折時に直進してくる対抗車と衝突の危険時に、10km/h以下なら自動ブレーキが作動する機能が追加された。</p>

フラッグシップサルーンのSクラス同等の運転支援システムを標準で採用。アクティブブレーキアシストには、右折時に直進してくる対抗車と衝突の危険時に、10km/h以下なら自動ブレーキが作動する機能が追加された。

<p>前後トルク配分を100-0%から0-100%まで連続可変させる4WD「4マティック」を搭載。なお、エントリーモデルのGLE 300d 4MATICのみ、前後50:50の固定トルク配分式とされた。</p>

前後トルク配分を100-0%から0-100%まで連続可変させる4WD「4マティック」を搭載。なお、エントリーモデルのGLE 300d 4MATICのみ、前後50:50の固定トルク配分式とされた。

<p>Aピラーが旧型より直立しているため乗降性も向上している。声認識機能も備える、直感的に操作可能なMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)も標準装備。</p>

Aピラーが旧型より直立しているため乗降性も向上している。声認識機能も備える、直感的に操作可能なMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)も標準装備。

<p>2列目シートにはこのクラスのSUVとしては世界初の6ウェイフルパワーシートを装備した。左右シートが約100mmの範囲で前後に電動でスライド、40:20:40分割可倒のバックレストも電動角度調整式。</p>

2列目シートにはこのクラスのSUVとしては世界初の6ウェイフルパワーシートを装備した。左右シートが約100mmの範囲で前後に電動でスライド、40:20:40分割可倒のバックレストも電動角度調整式。

<p>ラゲージ容量は3列目シート使用時で160リッター、2列目まで倒せば最大2055リッターまで拡大する。</p>

ラゲージ容量は3列目シート使用時で160リッター、2列目まで倒せば最大2055リッターまで拡大する。

<p>5:5の分割可倒式となる3列目シートを標準装備した。</p>

5:5の分割可倒式となる3列目シートを標準装備した。

<p>3リッター直6ディーゼルターボエンジンには2ステージターボチャージャーを装着し、小さいタービンには可変タービンジオメトリーを用いることで、全域でトルクフルな加速を実現しているという。</p>

3リッター直6ディーゼルターボエンジンには2ステージターボチャージャーを装着し、小さいタービンには可変タービンジオメトリーを用いることで、全域でトルクフルな加速を実現しているという。

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