ボディサイズは全長4760mm、全幅1850mm、全高1435mmと、先代より全長を125mm延伸、全高は45mm低く下げることで伸びやかさを演出している。全幅は日本の一般的な立体駐車場に配慮して15mm縮小し、1850mmに収められた。またPHEVモデルであっても他のガソリンモデルと同等のトランクルーム容量を確保している。
インテリアはダッシュパネル中央に配した9インチのタッチスクリーン式センターディスプレイに基本機能を集約。物理スイッチを必要最低限に絞ったシンプルなものだ。それでいて流木のもつナチュラルな風合いをイメージしたドリフトウッドパネルや肌触りの柔らかなレザーシートなど、スカンジナビアンデザインによって上質感を演出している。
パワートレインは、フロントにスーパーチャージャーとターボチャージャーという2つの過給器を備えた2リッター4気筒ターボエンジンと始動と発電をかねた小型モーターを組み合わせる。最高出力は253ps、最大トルク350Nmを発生。リアには87ps/240Nmを発生するモーターを搭載。前輪を内燃エンジンが、後輪をモーターがそれぞれ駆動する4WD方式だ。バッテリー容量は12.2kWhでEV走行可能距離は48.2kmだ。
ハイブリッドなら深夜早朝でも近所迷惑にならない
T6ツインエンジンでは、シフトセレクターがスウェーデン・オレフィス社製のクリスタルを用いた専用品になる。コクっと手前にひきDレンジにいれて走り出す。走行モードは「ハイブリッド」、ガソリンエンジンとモーターを同時に使用する「パワー」、可能な限りEV走行をする「ピュア」、4輪に最適にトルク配分する「AWD」が選べるが、通常はハイブリッドが最適だ。
バッテリー残量が十分であれば、スタート時から積極的にEV走行を行う。そして高速道路でも125km/hまで解除されない仕組みになっている。またセンターディスプレイ内にある車両機能で、バッテリー残量を保持する「ホールド」機能やエンジンを作動し積極的に充電する「チャージ」機能を使うことも可能だ。深夜早朝に最低限のバッテリー残量をホールドしておき、EV走行で静かに帰宅するような使い方もできるだろう。
いまこのクラスのセダンというと、メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4という「ジャーマン3」が圧倒的なシェアを誇っている。メルセデスにはC350eアヴァンギャルドが、BMW3シリーズには330e M SportというPHEVモデルも存在するが、最新のボルボはひと味違う。そろそろボルボ、そろそろPHEVと思わせてくれる異彩を放つ存在だ。
文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic