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建築とアートにフォーカスしたモダン・シティの尖りっぷり

シカゴの夜景
シカゴの夜景

シカゴをコンテンポラリー・アートの街として有名ならしめたのは、2年に一度、9月から翌年初にかけて開催される「シカゴ・アーキテクチュラル・ビエニアル」が行われるため。これは北米でも指折りの規模を誇るアート・建築・デザインのインスタレーション展で、並行して元海軍の倉庫だった湖畔の展示場では「エキスポ・シカゴ」という全米の有力アート・ギャラリーが集結する見本市が立ち、シカゴ現代美術館(MCA)でも共通もしくは関連するテーマ展が催される。9月下旬のエキスポ・シカゴ会期中に、街の歴史的建造物で1930年代のアールデコ建築であるマーチャンダイズ・マート(通称ザ・マート)の壁面で「Art on the Mart」が行われる。夕闇の頃から、アメリカン・フットボールのフィールドとほぼ同じ面積に映し出されるプロジェクション・マッピングは圧巻だ。

ヴァージル・アブローの作品
ヴァージル・アブローの作品

取材時は折よく、MCAで時の人ヴァージル・アブローの作品と背景に迫るテーマ展示、「FIGURES OF SPEECH」が延長開催され、賑わっていた。90年代前後のカルチャーもしくはサブカルチャーに影響を受けたといわれる、彼のリソースとして、スプートニクやミグ29、スカッドミサイルといったロシアの兵器、ニルヴァーナやガンズ&ローゼスといったロックバンド、日本の裏原系ファッションやマーク・ジェイコブス、そして地元シカゴのランドマークでミース・ファン・デル・ローエが設計したIBMビルディング(現AMAプラザ)やマリーナシティなどの建築が、挙げられていた。面白いのは、同じく地元のシカゴ・ブルズで全盛期を迎えたカリスマ的バスケットボール選手でスニーカー・ブームの火つけ役だったマイケル・ジョーダンが、同じく地元ホワイトソックスからメジャーリーガーへ一時転身したことも、含まれていた点だ。ミラノで自身のブランドからルイ・ヴィトンへと飛躍し、イケアやナイキ、リーバイスといった著名ブランドともコラボレーションを発表するなど、留まることの決してないカリスマ・デザイナーらしい、一筋縄ではいかない視点だろう。

エキスポ・シカゴ

またエキスポ・シカゴには、シカゴやニューヨークだけでなく、カナダやカリフォルニア、遠くオーストラリアなどからも多くのギャラリーが集まっており、広々としたスペースを提供できるコンテンポラリー・アートのマーケットとして独特の地位を築いている。ロジスティック・ハブとして名を馳せた街の面目躍如でもある。大都市の小ぢんまりとした見本市では置ききれないスケールの大きな作品も集まるため、いきおい展示作品のクオリティも高いしバラエティに富んでいる。

その一方で、アートと建築がパブリック・スペースを形成する重要な要素であることを知らしめ続けるのが、シカゴ・アーキテクチュラル・ビエニアルの行われるシカゴ文化センターだ。

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