>> この記事の先頭に戻る

イースト・ワシントン通り78番地にある建物

イースト・ワシントン通り78番地にある建物は、1893年に建てられた。当初は市の図書館として用いられていた新古典様式の建物内は、ギリシャ・ローマを彷彿させる柱や丸屋根、ホールや階段を埋め尽くすタイルのモザイクが印象に強く残る。このスペース内で、建築がいかにして人間のコミュニティや街、環境や公的な空間を形成していくかというテーマが、必ずしも建築だけではなく美術やテクノロジーの面から、選りすぐられたインスタレーションが展示されている。多様な背景をもつ人々の係争が歴史的に決して少なくなかった街だからこそ、掲げられるテーマでもある。

ザ・ペニンシュラ・シカゴ
コンテンポラリー・アート

ビエニアルを支点に2年に一度、建築とアートの同時多発的イベントによって、街全体がスイングする、そんなヒップな雰囲気を味わう滞在なら、やはり摩天楼の真ん中を勧めたい。それが1871年の大火を免れて原形をとどめる歴史的建造物「ウォーター・タワー」のすぐ近くにあるホテル、ザ・ペニンシュラ・シカゴだ。周囲を高層ビルにほどよく囲まれ、通りを見下ろす広々とした間取りの部屋は、シカゴのホテル中でも屈指のコンフォートを誇る。ペニンシュラ自体、元よりきめ細かな東洋的ホスピタリティを信条とするホテルブランドだし、地元の誰もが認めるトップレベルの5ツ星評価を得ているのも納得だ。

ザ・ペニンシュラ・シカゴ(写真6点)

ザ・ペニンシュラ・シカゴはツーリストやビジネスマンだけでなく、地元の敏感層にも支持の厚いホテルでもある。というのもビエニアルやエキスポ・シカゴの期間中、有名なアート・ギャラリーとタイアップして、ホテル内のロビーやホールにも、期間限定でコンテンポラリー・アートを作品を数点、展示しているのだ。摩天楼に向かい合うような眺望の楽しめる「Z バー」のテラスの夕暮れ時の賑わいや、アールデコ期のシカゴをイメージして数年前にリニューアルされたメインホールの朝食など、ラグジュアリーホテルの王道の魅力を真芯で楽しめる。

建築とアートで賑わう秋を過ぎると、シカゴは「ウィンディ・シティ(風の強い街)」の別名通り、ミシガン湖からの寒風がビルの間を抜けるオフシーズンに入る。アート・イベントの多い秋はもちろん、2年に1度巡って来るシカゴのベストシーズンだが、春夏にレギュラーで楽しめるコンテンツにも、じつは質の高いアート&アーキテクチャーがふんだんにある。次回はそうしたレギュラーなエレメントにスポットを当てていく。

フォトギャラリー(写真8点)

(後編につづく)



文・写真/南陽一浩 編集/iconic

  1. 4
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
  • Facebook
  • X
  • Instagram
  • YouTube
  • Facebook
  • X
  • Instagram
  • YouTube
pagetop