鴨志田 一番のキーワードになってくるのが、ドレスでも“エフォートレス”な気分だと思います。“自然な”とか、“頑張ってるように見せない”といった意味ですね。もちろんビシッとドレスアップするのも基本として大切にしたいですが、日常的にスーツを楽しむなら、もっと肩の力を抜きつつ、小洒落た雰囲気を漂わせるドレスダウンの技が大切になってくると思っています。
中村 ジャケットをビシビシにタイドアップして、そこにジレを加えて……といったような“盛った”服装は、流れに合わなくなりつつあります。よりシンプルに、でも洒落っ気のある装いが主流になってくるでしょう。
鴨志田 シンプルだけど味気なくないというところが重要ですね。料理と一緒で、さっぱりしていても味わいのある“テイスティ”な装いが理想です。
M.E. 具体的なコーディネートのコツはありますか?
鴨志田 たとえば、ネクタイ代わりのシルクスカーフなどはいかがでしょう。クルーネックのニットやTシャツからチラリと覗かせるだけで、スーツ姿がグッと洒落て見えると思います。それでいて、いかにも“頑張ってる”感じには見えませんよね。
Key Word 03
ネクタイ代わりのシルクスカーフ

M.E. なるほど! 巻き方はどのようにすればいいのでしょう?
鴨志田 特に決まりはありません。軽く結んでもいいですし、結ばず端を首元に仕舞ってもいいでしょう。
中村 私はネイビーブレザーにボーダーニットを合わせるフレンチ的なコーディネートをおすすめします。懐かしくも新しい服装ですね。こうすると紺ブレも堅苦しく見えないでしょう? ちなみにこちらのジャケットはウエストの絞りが緩いリラックスしたシルエット。作りも非常に軽やかです。このように寛いだ仕立てのジャケットもこれから増えてきますね。
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絞りが緩いリラックスしたシルエットのジャケット
