「I-PACE」は、電気自動車専用のプラットフォームを用いたSUV。とはいうものの全高は1565mmと、あと15mm低ければ立体駐車場にも収まるサイズなので、それほど背が高い印象はない。ホイールベースは、2990mmと3mにもせまる長さで、床下にバッテリーをしきつめており、センタートンネルもガソリンタンクもなく室内はとても広い。ポルシェマカンのサイズでカイエンの広さを実現しているという。
90kWhのリチウムイオン電池で前後に1つづつ計2つを配したモーターで四輪を駆動する。最高出力は400ps、最大トルクは696Nmを発揮。0→100km/h加速を4.8秒でこなす一方で、一充電巡航距離は従来のJC08モードよりもよりリアルワールドに則した新燃費基準のWLTCモードで438kmと、およそ日常生活で困ることはないだろう。
乗り味は、SUVというよりは、まさにジャガーのスポーツカーのようだ。重いバッテリーを床下に低く配置しているため、重心が低いことが功を奏している。ステアリングを切ると、少ないロールでスムースに曲がっていく。それでいて乗り心地も良好だった。回生ブレーキの度合いはハイ&ロー2段階の切り替え式で、ハイを選べばいわゆるワンペダル走行も可能だ。ただ、欲をいえばもう何段階か調整幅があればいいと思った。