ファッションディレクター 森岡 弘の「自分デザイン」入門 Vol.2
できるビジネスマンは年齢、立場、目的での「相応」の装いができる人。この連載では「上司」と「部下」に注目し、仕事で生きる身だしなみの極意に迫る。Vol.2は、前回に続きAI業界にて働く大企業のお二方とともに「人前に立つ」スタイル—上司編—を考える。
話したのはこの3人
ファッションディレクター 森岡 弘さん
弊誌のビジネススタイルのご意見番。雑誌や広告のほか、政財界人のパーソナルスタイリングも手掛ける。
【上司】 NTTコミュニケーションズ
アプリケーション&コンテンツサービス部 AI推進室長 三竹保宏さん(52歳)
1989年日本電信電話株式会社に入社。現在NTTコミュニケーションズ株式会社でAI技術のサービスの開発と営業を行うAI推進室の長。
【部下】 NTTコミュニケーションズ
アプリケーション&コンテンツサービス部 AI推進室 宮原拓磨さん(25歳)
三竹さんと同部署に勤務。自社のAI技術をセールスする、技術職ながら営業も行う。顧客とのミーティングのほか、ときには講演の機会も。
色の重なりを工夫して自分の人柄を表現する
三竹さんから森岡さんへ
いつも無難にまとめていました。工夫の仕方を教えてください。
「上司」が装う人前での華やぎ方とは
森岡氏(以下敬称略) さて今回は三竹さん。三竹さんはお立場上、仕事相手の方も立場のある方が多いとか。
三竹氏(以下敬称略) そうですね。業務としては、お客様である企業の決裁権のある方へのプレゼン、パートナー企業の責任者とのミーティング、社長や副社長など社内での上司へのプレゼン。この3つを考えて服を考えますね。業界全体としては、老舗企業もあれば若いベンチャーもあり、比較的服装は自由。でも私の装いのパターンは決まっていて、無難なことが多いかな。
森岡 無難かもしれませんが、しっかりサイズ感も合っていて上品! キャリアもお持ちで、色々着てこられて、そういうものを選ぶ感覚もすでにお持ちなんですね。ただし、一点気になります。今日のスーツは黒、ですよね?
三竹 はい。
森岡 黒は、実はビジネスルールではNG。日本では黒スーツの着用は多いのですが、ドイツを除く欧米ではビジネスでの黒はほぼ着ません。とはいえ、多数票は後にスタンダードになったりしますからNGとも言い切れない。ただ、もし取引先の方が服好きな方だと、気づくでしょうし、立場ある方こそ着用を避けるのが好ましいです。
三竹 なるほど。勉強になります。
森岡 そういえば、先日とあるテレビ番組にご出演されていましたね!
三竹 ええ。テレビや、講演などの業務もときどきあるんです。
森岡 テレビ出演や講演など、人前に出られるときに、三竹さんならもう少し華やかにしてもよいのでは? 三竹さんの温厚なお人柄と、責任者であるお立場とを、スーツで表しましょう。
三竹 そんなことができるんですね!