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1963年に発売されたチェロキーのもとになるジープワゴニア
1963年に発売されたチェロキーのもとになるジープワゴニア。スポーツバージョンのチェロキーとは明確にキャラクターが差別化され、乗用車的で豪華な仕様となっていた。
1974年に発売された初代のチェロキー
1974年に発売された初代のチェロキー。有名なXJ系とはまったく異なるデザインで、兄弟車のワゴニアから多くのエッセンスを受け継いでいる。発売は1983年まで。

チェロキーの誕生は1974年まで遡る。1963年にデビューした当時のアメリカンフルサイズSUVワゴニアが、74年にグランドワゴニアを名乗ると同時に、そのカジュアルバージョンとしてチェロキーの名が与えられることになった。このSJ型初代チェロキーは、フルオリジナルモデルではなくグランドワゴニアの派生モデルという立場にあったが、アッパークラスをベースにしながら、気軽に乗れるモデルとしてチェロキーというモデル名を定着させていった。ちなみにワゴニアは、ピックアップトラックモデルであるグラディエーターをベースに仕立てられたSUVであり、ワゴニアのスポーティたる使い勝手やスタイルから、SUVという言葉が登場してきている、とも言われている。

四角いチェロキーことXJ型
日本の都市部でも毎日のように見かけた四角いチェロキーことXJ型。極めてシンプルな見た目と本格オフローダーとしての性能が大いにウケて大ヒットモデルに。

というように、初代チェロキーがフルサイズモデルだったことはあまり知られていないが、実はこのチェロキーの登場が、この後、ジープブランドにラグジュアリィモデルと、カジュアルモデルという2つのラインを作るきっかけとなる。1984年になるとチェロキーは、全くあたらしいコンセプトをもって、2世代目へと移行する。これが、日本でも大ヒットとなり、多くの人がチェロキーと言われると思い出すフライングブリックスタイルの、つまり”シカクイ”チェロキーだ。

初代モデルとは、似ても似つかぬジープとして登場。強いていえば、スタイリッシュ、スポーティというテイストは共通だが、ボディサイズは、初代のフルサイズからコンパクトサイズへと移行し、ボディ構造は、ラダーフレームとモノコックを一体化したユニフレームを採用するなど、当時としては、”あり得ない”ような、斬新、革新、先進をここぞとばかりに提案。フォルムは、そのサイドビュー(ボディと地上高等)に黄金律が採用されていると言われており、また、スクエアなスタイルも相まって、今でも見とれてしまうほど。走りについては、ユニフレーム構造となったボディは1500kg程度と軽量であり、特に日本で大ヒットしたモデルでは直6/4.0Lクラスを搭載したことから豪快さもアドバンテージとしていた。ちなみに4ドアモデルがオリジナルと思われるかもしれないが、実は2ドアがオリジナルで、当初、日本にも輸入されていた時期があり、また、ワゴニアという名称で、ヘッドランプを2つに分けて縦にレイアウトしたモデルも存在していた。

オフロード走破性は前後リジッドサス(フロントはコイル、リアはリーフ)を組み合わせ、4WDシステムには、センターデフロックをもったフルタイム式をベースに、2WD走行も可能としたセレクトラックと呼ばれるシステムを採用。様々なモードを自在に選べることを特徴としたユニットだが、これと同様のシステムはその後のチェロキーのほか、最新型ラングラーにも採用されている。これらハードウェアにより、その走破性はすこぶる高く、黄金律によって手に入れた美しいボディがオフロードを走る姿もまたユーザーの心を惹きつけた。

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