【#おうち時間充実計画】/映画とファッション #11
思い出のアレを、今、着てみたら……?

青春時代、夢中になった映画の中の、あの服・あの靴・あの合わせ。数十年を経た今も、鮮やかに思い浮かぶのは何故だろう?そんな思い出を懐古しつつ、“今”の目線で着こなしてみたあるコンサバ男の改古録をご覧あれ。
The Memory of Masterpiece…
【01】ジーンズは今、Back to 色落ち

去年までジーンズは濃色一辺倒だったが、この春はにわかにウォッシュドを穿きたい気分。その理由はきっとあれだ。この間観たあの映画。“マーティ”が『ジョニー・B.グッド』を演奏するシーンは今観てもカッコよかった。
なんとなく彼を意識して、赤のカーディガンを合わせてみたら、なかなかいい感じじゃないか。
気取らない佇まいが日課の銭湯通いにちょうどいい。洗いのかかったジーンズは生地も柔らかくなっていて、風呂上がりの体を優しく包んでくれる。
映画そのままの’80sだとタイトシルエットになるが、今はこれくらいのゆとりがちょうどいい。足元もベルジャンシューズで大人を気取ってみた。懐かしの服も、少しヒネると新鮮に着られるものだね。
The Memory of Masterpiece…
【02】小学生のときからずっと好きなもの

小学校の卒業文集に「将来の夢:刑事」と書いた記憶がある。明らかに、当時流行っていたあの作品の影響だ。縦横無尽に駆け回る”アクセル”の姿に憧れて買ったのがアディダスの「カントリー」だった。
あれから35年あまり経った今年、通りすがりのスニーカーショップで見かけたカントリーがやけに気になって、久方ぶりにリピート買い。
当時はレザーアッパーだったが、今のものはナイロンに変更されている。オリジナル至上主義ではないので、むしろ履き心地が軽くなったことに感心。
スウェット調ニットを合わせて“大人アクセル”風にコーディネートしてみた。そして赴くは、馴染みの純喫茶。小学校時分を懐古してクリームソーダを注文してみた。甘い……。
The Memory of Masterpiece…
【03】まさに“お宝”を手に入れた気分だ

子どものころから憧れつつ、実はこの年になって初めて入手したのが「インディブーツ」だ。映画の中では度々目にしていたが、学生時代には日本で買えなかったのだ。
ようやく国内流通が始まったのが2011年。“おお、ついに!”と色めき立ちつつも、すっかり社会人になってしまった自分を見て、なんとなく手が出ずに今まで過ごしてしまった。
しかし、仕事にも家庭にもゆとりが生まれてきた最近、あのころの情熱が再燃。勢いに任せて入手し、目下ヘビーローテーション中だ。やはりコーディネートは、サファリカラーがサマになる。
武骨なブーツだが、あくまで知的に合わせるのが流儀だ……なんて考えていたら、携帯を家に忘れてきてしまった。ま、たまには公衆電話も風情があっていいかな。
「ごめん、15分ほど遅れてます……」
The Memory of Masterpiece…
【04】自分の中にいるもう1人の自分

誰しも、自分の中に“もうひとりの自分”を秘めている……20世紀末に物議を醸したあの映画を観て、そう感じたのを覚えている。といっても自分の場合、シャイなくせに結構目立ちたがり、とかそんなものだが。
今日はふと、いつもと違う服装をしたくなって、プリントシャツに袖を通してみた。”タイラー”のように革ジャンというわけにはいかないが、同じ色のジャケットを羽織ってみたら、なんだか新しい自分を発見した気分。こういうパンチが効いた服装もたまにはいいものだ。
さて、今日は行きつけの演芸場へ落語を聴きに。おっ、今日は「喧嘩長屋」を演ってるじゃないか。これは楽しみだ。開場まであと15分、ラジオでも聴いて暇を潰すとしようか。
The Memory of Masterpiece…
【05】1人になるときに着たくなる服

M-65を見ると、いつも思い浮かぶのは“トラヴィス”の姿だ。大都会での孤独、鬱屈した日々に対する“復讐の装束”として強烈な印象を残している。だから、M-65を着るのは決まって1人で出かけるときだ。
あまりめかしこんで着るものじゃない。シンプルに5ポケットのパンツとTシャツで、無造作に合わせるくらいがちょうどいい。と思っていたが、さすがに自分もいい歳。チラリと紺ジャケを覗かせてみた。
今日は馴染みの古書店へ、仕事の資料を探しにやってきている。珍しく店内はガラリとしていて、客は自分だけだ。ひっそりと眠るように並ぶ古書を見ていると、自分だけが時空から取り残されたような錯覚に陥る。
用を済ませて出ると、すっかり暗くなっていた。さて、一杯飲んで帰るか。
The Memory of Masterpiece…
【06】勝利と敗北と……

プールバー全盛期のバブル時代にはまだ中学生だったから、ワンレン・ボディコンのギャルを同伴した経験はないのだが、ビリヤードは長年の趣味になっている。もちろんきっかけは映画だ。
今日は久々に旧友たちとビリヤード会。場が盛り上がるかなと“ヴィンセント”を意識してチェックシャツ&黒Tシャツという出で立ちで臨んでみたら、案の定大ウケだった。
こういうオンブレチェックのシャツ、久々に着たけれど、今また新鮮に感じる。バサッとアウター的に羽織りつつ、黒のスラックスでキレイにまとめるといい塩梅だ。
旧友たちも相変わらず手強い。久々に熱くなってしまった。結果はなかなかの惨敗。でも、服装は自分が1番オシャレだったはずだ。
思い出名品の魅力、COME BACK!!
