“モビリティの新しいカテゴリー”として2026年春に日本販売
東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2025」において、Kia PBVジャパン株式会社は、Kia(キア)初のEVバン「PBV(Platform Beyond Vehicle)」の日本展開を正式発表した。双日株式会社の100%子会社として設立された同社は、販売とアフターサービスを通じて、日本市場における新たなモビリティの価値を提案していくという。
プレスブリーフィングでは、Kia本社のキム・サンデ副社長が登壇し、PBVシリーズ第一弾「PV5」を「単なる新型車ではなく、モビリティの新しいカテゴリー」と定義。EV専用プラットフォーム「E-GMP.S」を基盤に、アッパーボディを最大16種類まで組み替えられるモジュール構造を採用したことを明かした。高密度バッテリーによる最長693kmの航続距離、V2H/V2L対応、先進運転支援システムなどを備え、ビジネスユースの「カーゴ」とライフスタイル対応の「パッセンジャー」が登場。後者は洗練されたデジタル体験と実用性を両立し、Kiaのデザイン哲学「Opposites United(相反するものの融合)」を体現しているという。
PV5は空間とモビリティの概念を再定義するように設計され、革新的なモジュラーアプローチによって、顧客の用途に合わせた多様なカスタマイズを実現。パッセンジャーモデルは、窓枠を最大化した設計により広い視界を確保し、車体色と対照的なブラックグラフィックガラスがモダンな印象を強調する。SUVラインを想起させるブラックのアーチクラッディングやロッカーパネルがタフさを演出し、ジオメトリックなラインとシグネチャーライティングが先進性を際立たせている。リアはボリューム感のあるDピラーとリフトアップ式テールゲートを採用し、機能美と上質感を融合した。
一方のPV5カーゴは、ボクシーでスペース効率を高めたデザインが特徴。両側スライドドアにより積み下ろしを容易にし、商用車としての実用性を最大限に高めている。なめらかなサイドラインとモダンなリアデザインが機能性と美観を両立させ、積載性と開放感を両得したフォルムに仕上がっている。
PV5はすでに英国紙『The Sun』の「Van of the Year」を受賞するなど、実用性と性能の両面で世界的評価を獲得。日本では2026年春の発売を予定しており、価格はカーゴが589万円から、パッセンジャーが679万円から。まず全国に8ディーラーを開設し、約100カ所のサービスネットワークを整備する計画だ。
ショー会場では、カーゴ、パッセンジャーに加え、車いす対応仕様「PV5 WAV」も参考展示。社会と共に進化するEVバンとしての未来像が提示された。





