
V10スーパースポーツの意志を受け継ぎ、“走りの歓び”をBEVで再定義する
レクサスは2025年12月、ブランドの象徴的存在である「LFA」の名を冠した次世代BEVスポーツコンセプト「Lexus LFA Concept」を世界初公開した。2010年に登場した初代LFAは、自然吸気V10を搭載し、“クルマ屋の矜持”を結晶させたスーパースポーツ。その名を電動化の時代にあえて復活させたこと自体が、レクサスの明確な意思表明と言えるだろう。BEVであっても、走りの本質、感性を揺さぶる存在であり続ける──その決意が、この1台に込められている。
LFA Conceptは、同時開発が進むGR GTおよびGR GT3と技術思想を共有。軽量高剛性のアルミ構造、低重心パッケージング、磨き抜かれた空力性能を軸に、EVならではの自由度を最大限活用しながら、純粋な「操る愉しさ」を追求する設計思想が貫かれる。全長4690mm、全幅2040mm、全高1195mmというワイド&ローなボディは、視覚的にも走りへの覚悟を感じさせるプロポーションだ。乗員を2名に限定し、実用性よりもドライバーの没入感を最優先とした潔いパッケージも、このモデルの性格を雄弁に物語る。
エクステリアは、初代LFAの官能的なDNAを受け継ぎながら、現代のBEVとして再解釈。シャープなノーズからテールへと流れるラインは、単なるスタイリングにとどまらず、機能に裏打ちされた必然の造形と謳われる。EV特有の合理性と、スポーツカーが宿すべき情感の融合。その絶妙なバランスこそが、LFA Concept最大の魅力である。
インテリアに掲げられるテーマは「Discover Immersion(没入の発見)」。理想的なドライビングポジションを軸に、ステアリングや各種スイッチ類は自然な操作動線でレイアウトされ、ドライバーの身体感覚とクルマの挙動が限りなく同期する空間を目指している。装飾性を排したミニマルな設計も印象的で、主役があくまで「走り」であるという哲学が鮮明だ。
本プロジェクトの背景には、豊田章男会長が唱える「トヨタの式年遷宮」という思想がある。スポーツカーに宿る技術と精神を、時代に応じて磨き直しながら次世代へと受け渡す──そんな考え方だ。電動化は目的ではなく、その先にあるのは、人の感性に訴えかけるモビリティの追求である。静寂の中にこそ立ち上がる高揚感、電動パワートレインがもたらす鋭敏なレスポンスが、新しい官能としてスポーツカー体験を再定義していく。
Lexus LFA Conceptは、次世代スポーツのあるべき姿と電動化時代における新しい走りの価値を示す、レクサスの未来像を象徴するコンセプトモデルである。
レクサス
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