廃校から美食の宿へ、イノベーティブな食体験 オーベルジュ オーフ[石川・小松]

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記憶にのこる【食】

SNSがどれだけ情報を拡散しようとも、料理の「味」だけはその地を訪れないと味わえない。旅の目的となる特別な食体験は、五感と記憶とにくっきり足跡をのこすはずだ。

廃校から美食の宿(オーベルジュ)へ、イノベーティブな食体験
オーベルジュ オーフ[石川・小松]

オーフ巻き
2万5000円のコースで登場するスペシャリテの「オーフ巻き」。アザミを加えたそば粉クレープでジビエやハーブ、季節の山菜などを包み、いただく。

里山に抱かれたノスタルジー空間で、とびきりモダンな味覚の旅へ

リモートワークの恩恵が広まった現在、「旅」の醍醐味は「体験すること」へと変わった。実際にかの地に足を伸ばさないと味わうことが叶わない、五感を強く、深く刺激する出会いは、AIやオンラインでは置き換えられない。

例えば石川県は小松で早耳の食通たちから注目を集める「オーベルジュ オーフ」も、食すためだけに訪れる価値が十二分にある。

まずは小松空港から車で30分というロケーションが旅情たっぷり。オーフが位置する小松市観音下町は、日本海と霊峰白山に挟まれ、周辺には水質が自慢の水田と里山の原風景が広がっている。ここはさしずめ農作物や魚介など食材の宝庫だ。

オーフは小学校だった校舎を改装し、2022年に宿泊付きレストランとしてオープン。そのコンセプトと場のポテンシャルに惹かれたのが、まだ30代前半の糸井章太シェフだ。

シェフ 糸井章太さん

シェフ 糸井章太さん

1992年京都府生まれ。仏留学中にアルザス「オーベルジュ・ド・リル」で研鑽を積む。2018年に日本最大級の料理コンペ「RED U-35」で史上最年少グランプリに輝く。

自ら小松市へと移住し、調理スタッフとともに地元生産者の元を訪れ、さらには自ら山に分け入っては春に山菜、夏にサワガニ、秋にはキノコと旬の食材を採取するそう。こうした北陸の四季の食材が、若き天才シェフの手で、フレンチの技法を駆使した斬新な日本料理に姿を変えるのだ。

ディナーコース
おいしいや美しいの先にある何かを目指す、糸井シェフのイノベーション
北陸の恵みを地産地消するディナーコースが滞在のハイライトに。イノベーティブにカテゴライズされる料理は、フレンチの技法を使ったオリジナル料理。海外のゲストからも「和食じゃないけど、日本の料理だね」と言われるとか。

いわゆる和食とは一味もふた味も違う日本のキュイジーヌを、里山の元小学校に滞在してじっくりと味わう。きっと忘れ得ぬ食体験が待つ。

オーベルジュ オーフ
廃校をリノベーションし北陸ガストロノミーを牽引
「ゴ・エ・ミヨ」や「ラ・リスト」などの外資系テーブルリストに掲載されるほか、2025年にはジャパンタイムズの「デスティネーションレストラン」に選出。校舎を改築した空間は懐かしくもモダンで、館内には100を超える現代アートが。写真左は教室一室を改築したジュニアスイート。

オーベルジュ オーフ
石川県小松市観音下町口48
TEL/0761-41-7080
料金/ジュニアスイート1室2名利用で、1泊夕朝食付き1室12万200円~ (サービス料込) ランチ・ディナーのみ利用で1万5000円・2万5000円(サービス料別)
滞在時間/IN15時~、OUT11時



[MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み

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