未来予想(1)Suit
提言3 スーツは「ラグジュアリー」の象徴になる
スーツは最上級の仕事服になると前述したが、それは同時に、ラグジュアリーを物語る服にもなるということだ。忙しない雑踏の中で、あえてスーツをまとう心の余裕。それは、豊かな人生を謳歌する者であることの証明である。事実、昨今は贅沢な希少素材を惜しみなく用いたスーツが花盛り。スーツ愛用者たちの視線は確実にラグジュアリー志向に向かっているのだ。そんな高級素材の美しさは、所作のなかでこそ最大限際立つことも特筆しておきたい。一挙一動に応じて浮かぶ、絶品の光沢。何気ない仕草を流麗に見せる、極上のしなやかさ。そこに、着る者の円熟と洗練が象徴されるのである。
Kiton(キートン)
神の繊維・ヴィキューナ入りのスーツが既製でも登場
カシミア以上の希少性で知られ、“神の繊維”と称されるヴィキューナ。既製ではまずお目にかかれない素材だが、それを採用するところにナポリの帝王・キートンの風格が滲む。繊細なウールとのブレンドで、抜群の滑らかさを表現。229万3500円(キートン 銀座店)
ニット4万9500円/アスペジ(トヨダトレーディング ププレスルーム) 時計407万円/クレドール(セイコーウオッチお客様相談室(クレドール))
[左]Ciccio(チッチオ)
スーパー200’sという未体験のなめらかさ
カシミアやヴィキューナなど雲上素材を揃えるチッチオだが、ウールでも弩級の作例が。スーパー200’sという最高級カシミアなみに繊細な羊毛による一着だ。圧巻の滑らかさと仕立て映えを両立した未体験の風合い。148万5000円〈当生地でのオーダー価格〉(チッチオ ジャパン)
シャツ7万7000円〈当生地でのオーダー価格〉、タイ4万4000円/以上チッチオ(チッチオ ジャパン)
[右]Ring Jacket(リングヂャケット)
カシミアスーツのニーズが今、急加速
昨今、スーツ好きたちがとりわけ熱視線を注ぐカシミアスーツ。せっかく着るなら、とことん贅沢感を堪能したいというのがその理由だ。しなやかな毛並みは、手の温もりを感じさせる柔らかな仕立てともベストマッチ。55万円(リングヂャケット マイスター 206 青山店)
ニット9万9000円/リングヂャケット ナポリ(リングヂャケット マイスター 206 青山店)
[MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み





