ファッションディレクター 鴨志田 康人さんが語る【スーツのあり方を覆すアルマーニ氏の革新】
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[ブランド学/1]
ブランド創立50周年、その軌跡を考える
アルマーニはなぜいつの時代でも“憧れ”であり続けるのか
帝王と称され、現代メンズファッションに絶大な影響を与えてきたアルマーニ氏。ブランド創立から半世紀を経ても、人々を魅了し続けたその美学の核を探る。
Giorgio Armani – photo credit SGP
ジョルジオ・アルマーニ氏
1934年イタリア・ピアチェンツァ生まれ。ミラノ大学医学部に在籍したのち、ミラノのデパート「ラ・リナシェンテ」で仕事を始め、ファッションの道へ。1975年にジョルジオ・アルマーニ社設立。ソフトテーラリングスーツと控えめなエレガンスでメンズファッションを刷新。
ファッション業界の第一人者と読み解く
アルマーニ氏のゆるぎない美学
創立50年を迎える今、なぜアルマーニは“憧れ”であり続けるのか。ファッションが革新された’80年代を肌で知る鴨志田さんに、今なお支持されるアルマーニ氏の美学の核を聞いた。
ファッションディレクター 鴨志田 康人さん
ビームスを経て1989年、ユナイテッドアローズの設立に参画。クリエイティブ ディレクターを担う。2018年、株式会社オフィスカモシタ設立。ユナイテッドアローズの他、ポール・スチュアートジャパンなどのクリエイティブアドヴァイザーなどを務める。
ファッションという移ろいやすい世界で彼だけの一流の生き方を貫いている──鴨志田さん
スーツのあり方を覆すアルマーニ氏の革新
アルマーニ氏が颯爽とモード界に登場したのは’70年代半ばのこと。それ以降のファッションの世界は大変革を遂げた。そしてブランド創立から50年を迎える今も人々の“憧れ”であり続けている。これほど長くファッションの世界を牽引できる理由について鴨志田さんに伺った。
「私がジョルジオ アルマーニに注目するようになったのは、ビームスで働いていた’80年代に入ってからでした。イタリアン・デザイナーズが一気に存在感を増し、そのようなブランドと協業していたファクトリーブランドをショップでも取り扱い始めるようになって、イタリアのファッションの世界に触れるようになりました。そして、そんなイタリアのデザイナーズブランドを牽引していたのがアルマーニでした」と語る鴨志田さん。当時はデザイナーズといえばパリが主流で、どこか貴族的で限られた層に向けた装いが中心。一方ミラノは、現代を生きる人のリアリティに寄り添う“今の服”を提示していた。そして、その象徴こそアルマーニ氏だったという。
Sergio Galeotti Giorgio Armani – photo credit Courtesy of Giorgio Armani
「エレガンスの価値観や表現方法が、フランスのブランドは伝統的に貴族主義なのに対して、ミラノ発のアルマーニは現代の人が着やすい服を提供しようという価値観を起点にしている。だからこそ、芯地を省いてより快適で馴染みやすく、動きやすい服を作ることを大切にしたのだと思います。素材の開発を行い、ジャケットの構造やパターンを見直し、結果としてソフトスーツという新しいドレスの形を築くことに成功した」と鴨志田さん。肩パッドや芯を薄くして体の線を生かし、動きやすさと端正な見た目を両立させる。その“心地よさ”と“見栄え”の融合こそがアルマーニ氏の革新だったのだ。そしてアルマーニ氏が高い評価を半世紀にわたって保ち続けた理由については、こう続ける。
「’80年代はわかりやすい華やかさが主流でしたが、アルマーニは“アンダーステートメントなエレガンス”を貫いていましたね。長い時の流れ中で、企業の中では変化を求める声もあったでしょうが、ファミリーやビジネスパートナーの支えもあって、デザイナーの信念を通せる環境があったのだと思います。そこでブレなかったからこそ“今のアルマーニ”があるのではないでしょうか」
そして、そのようなブレない美学に共鳴した人は世界中に広がった。「’80年代の日本では、多くのビジネスマンがアルマーニを思わせるシルエットのスーツを着ていました。あれはアルマーニが火をつけた潮流で、ここまで世界を席巻したトレンドは、メンズファッションでは初めてだったのではないでしょうか」
スーツのあり方を革新し、自身が愛するクラシックをいつの時代でも追求し続けている──鴨志田さん
自身が愛するクラシックを常に表現し続けること
アルマーニ氏というとモードなイメージを持つ人がいるかもしれない。だが実はインスピレーションの源は、クラシックにあると鴨志田さんは語る。自身が愛したクラシックを、常に現代的にアップデートする。それこそ、鴨志田さんが最も惹かれるアルマーニ氏の世界観だという。
Giorgio Armani M SS 1989 – photo credit Aldo Fallai
Giorgio Armani M SS 1994 – photo credit Peter Lindbergh
Giorgio Armani M SS 2012 – photo credit Mert Alas & Marcus Piggott
「例えば彼のユニフォームはシンプルなネイビーのクルーネックニットやシャツに、ネイビーのパンツですが、足元にはアメリカ製のトラディショナルな靴を愛用していました。また、彼がデビューした当初の’70年代から’80年代初頭は、ミリタリールックの研究にもかなり力を入れていました。アメリカの軍モノの服を研究して、それを新しい解釈でアルマーニ流に作り上げてコレクションに落とし込んでいましたね。それに、スーツでは’40〜’50年代のアメリカのスタイルからインスピレーションを得ていた。ローゴージのワイドラペルのジャケットやゆったりとしたボトムを、自身で開発したしなやかな生地で再構成する。多彩な素材を混ぜた複雑な組成の生地を採用することで、着たときにちょっとクタッとする古着のような雰囲気になることを目指していたようです。この着古した雰囲気にこだわるというのも、彼のひとつの美学です。従来は生地の最終フィニッシングできっちりとプレスをかけるのですが、それをあえて省いたのもアルマーニが初めてじゃないでしょうか。昔の写真でジェントルマンが味わいのあるスーツを着込んでいるような、そんな雰囲気を求めたのだと思います」
アルマーニ氏が提案したソフトスーツは、まさにそのような彼が愛したクラシックの新解釈だ。そしてそのような自らが愛したクラシックを、いつの時代でも変わらずに表現し続けたことで、アルマーニ氏だけのスタイルが完成されたのだと鴨志田さんは言う。
名フォトグラファーの眼差しがアルマーニ氏の美学の深層まで捉えて写し出した──鴨志田さん
レンズが結晶化したミニマリズムの美学
また、アルマーニ氏の美学の根幹には“ミニマリズム”があるという鴨志田さん。そして、その美学を視覚化し決定づけたのが、一流のフォトグラファーとの出会いだ。
Giorgio Armani FW 1988 – photo credit Aldo Fallai
「アルマーニの世界観が広く知られるようになった背景には、雑誌で掲載されていた写真の力も大きかったと思います。私も『L’UOMO VOGUE』のようなイタリア男性ファッション誌を貪るように読んでいました。当時はアルマーニと名フォトグラファーがコンビとなり、雑誌に素晴らしい写真を掲載していたんです。巻頭ページに並ぶ広告ビジュアルの写真は、圧倒的な説得力と美学がありました。モデルの選定もかっこよかった。特に印象深いのは、当時無名に近かったアルド・ファライが撮り下ろした広告ビジュアルです。モノクロームで撮影されたノスタルジーな雰囲気のモデルは、20世紀初頭のミラネーゼのようであり、ハリウッドスターの洗練された男性像のようにも映りました。ファライの作品は寡黙であるが故にすごく饒舌なんだと思います。情報量をなるべく削ぎ落としミニマルにすることによって被写体の息遣いが伝わってくるような温もりが感じられる。シーンや服装で飾らぬとも登場人物のパーソナリティが伝わってくる。そして、そのような内面のエレガンスの表現は、アルマーニが常に求めていたことに他ならないと思います」
Giorgio Armani FW 1993 – photo credit Peter Lindbergh (3)
ミニマリズムというと、どこか質素なイメージを持つかもしれないが、本当のミニマリズムは饒舌であり奥深い。削ぎ落として、さらに削ぎ落として、ギリギリで残った内面や本質のみで表現する。そのような“アンダーステートメントなエレガンス”こそ、アルマーニ氏が生涯を通して表現し続けていることではないだろうか。そして、ファッションだけでなく様々な事業を通して、そんな美学を貫いているからこそ、タイムレスに人々を魅了し続けるのだと鴨志田さんは言う。
「移ろいやすいファッションの世界で、自身の美学を貫き続けているのは並大抵のことではありません。そんなアルマーニの一流の生き方は、もはや英国クラシックやアメリカントラディショナルと並ぶような、ひとつの確立したスタイル(流派)と言っても過言ではありません」
[MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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