いまやすっかりブームからジャンルに定着した、腕時計界の一大トレンド「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」。入手困難な弩級モデルから、手の届くラグスポテイストモデルまでを1冊にまとめたバイヤーズガイド『ラグジュアリースポーツウォッチ大全』から、その中身をご紹介しよう。
ホワイトのセラミックケースとラバーでぐっとラグスポテイストに
IWC(アイ・ダブリュー・シー)
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・トップガン“レイク・タホ”

【SPEC INFORMATION】
ケースサイズ:44.5mm ケース素材:セラミック ストラップ:ラバー 巻き上げ:自動巻き 搭載キャリバー:Cal.69380 防水性能:6気圧 振動数:毎時2万8800振動 パワーリザーブ:46時間
価格:184万8000円

大径のホワイトが焼けた腕に似合う
IWCを代表するコレクションのひとつがパイロット・ウォッチだ。
ミリタリーをルーツとする“質実剛健”な航空時計がラグスポ? と思うかもしれないが、2007年にコレクションに加わった「トップガン」は、デビュー時から通常の航空時計とはテイストが異なっていた。まず、ケース素材にブラックの酸化ジルコニア・セラミックを採用し、ケースバックはチタン製に。以来、先進素材がトップガンシリーズの特徴となるのだが、’22年発表の「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・トップガン“レイク・タホ”」では色使いでも違いを見せた。
モデル名の“レイク・タホ”は、映画でも有名なトップガン(米国海軍戦闘機兵器学校)が訓練で使うカリフォルニア州とネバダ州の境に位置する山岳地帯にある。この地域の冬の雪景色と同学校の白い制服に着想を得て、本作ではホワイトセラミック製のケースにホワイトのラバーストラップを組み合わせた。エンボス加工のラバーストラップが爽やかな白で統一した航空時計をスポーティに演出。一方、文字盤には視認性を重視した航空時計らしいブラックを採用する。
また、裏面には有名なトップガンロゴを刻印したチタン製ケースバックを採用し、ねじ込み式によってしっかりと密閉。この閉じたケースバック内に軟鉄製インナーケースが収納され、搭載する自社製の自動巻きクロノグラフキャリバー69380を包み込んで、磁気帯びによるムーブメント精度の低下を防ぐのである。
この高性能クロノグラフに加え、複雑機構を搭載したパーペチュアルカレンダーもラグスポ仕様で用意。やはりホワイトセラミック&ラバーストラップの爽快なスポーティスタイルが味わえる。
見ためはラグジュアリースポーツ仕様でも、高度な視認性や耐磁性、機能性をしっかり押さえているのがさすがだ。