サステナブル素材を用いた“新しい”インテリア
四角くて黒い、小型バッテリーのような形状の鍵をもって車両に近づくとドアロックが自動で解除される。いずれこの機能はスマートフォンに移行されるという。運転免許証もデジタル化される計画があるようで、スマホ1台あれば運転できる時代はもうすぐそこだ。
ボルボ「EX30」のディテールをチェック(画像5枚)
インテリアはコンパクトカーのものとは思えないほど、新しくかつ上質感がある。ステアリングは空間を少しでも広くとるため上下がフラットな形状になっている。デザインのコンセプトは“集約化”というが、運転席の目の前にはメーターなどを表示する液晶ディスプレイがない。物理スイッチもほとんど見当たらない。ダッシュボードの中央に配置された12.3インチのセンタースクリーンにそれらメーター表示機能と、ナビゲーションやメディアなどの機能をまとめて表示する。
またボルボがいち早く取り入れてきたGoogle搭載のハンズフリー支援やナビゲーションももちろん採用する。「OK、Google」と話しかければ目的地設定や好みの音楽をかけることができる。5G対応で高速な応答が可能なほか、ボルボ車として初めてワイヤレスのApple CarPlay機能も搭載する。そして“ボルボの安全装備にオプションなし”の言葉どおり、ADAS(安全運転支援システム)も最新のものが備わる。例えば、通行中の自転車や電動キックボードの前でドアを開けようとすると音と視覚で警告する「ドア・オープニング・アラート」といった上級車並みの機能まで取り入れている。
フロントドアの内側にはスリムなデザインのアルミ製インナードアハンドルのみでパワーウインドウやサイドミラーのスイッチ、スピーカーなどもない。これらはドア内部の配線や素材を減らすための工夫で、ドアの収納スペースを増やす効果もある。フロントガラスのすぐ下にはホームオーディオからインスピレーションを受けたというHarman Kardonのサウンドバーが備わる。複数のスピーカーを1つのコンポーネントにまとめたもので、EVの高い静粛性ともあいまってとてもいい音を奏でる。
ボルボは2040年までにクライメートニュートラルで循環型ビジネスの構築を目指しておりリサイクル素材の活用に積極的に取り組んでいる。廃棄物から作られた再生プラスチックや、再生可能な繊維である亜麻を用いた加飾パネルや、リサイクルポリエステルを約70%含むウール混紡素材、再生プラスチックを含む3Dニットを用いたシート、廃棄された漁網から再生されたフロアマットなど、あらゆるところにサステナブルな素材を用いている。素晴らしいのはそれらが上質かつ、かえって新しさを感じさせる点にある。











