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BEVの要となる走行距離が向上

S line
国内で販売される全グレードがスポーティなS line仕様となる。

今回の試乗車は、「Q8 55 e-tron quattro S line」だった。インテリアのデザインは先代モデルからほぼ変わらないもの。液晶メーター、そしてセンターに上下2段のタッチスクリーンを配したいまのアウディのトレンドを最初に生み出したのがこのモデルだった。アウディ独自の直感的な操作がしやすいシフトセレクターも踏襲されている。

Dレンジに入れて走りだす。モーターやインバーター、そしてロードノイズなども低く抑えられておりフラッグシップらしく静粛性に優れる、試乗車にはその性能をより高めるアコースティックガラスを採用したサイレンスパッケージというオプションが装着されていた。ちなみにこのセットオプションにはBang&Olufsenの3Dサウンドシステム(16スピーカー)もセットになっているので、ぜひとも選びたい。こうした電気自動車でこそハイエンドオーディオは生きるというものだ。

サスペンションにも改良が加えられており、乗り心地やステアリングフィールも向上している。またドライブモードには新たに「オフロード」モードが加わった。基本的に市街地では「オート」を選択しておけばいい。回生ブレーキの強弱はステアリングに備わるシフトパドルを操作することで3段階での調整が可能。電気モーターによる回生だけでマイナス 0.3G までの減速に対応しており、これは日常走行の90%以上をカバーするという。こうした回生エネルギーの効率に優れる点も先代譲りのものだ。

充電性能においても大幅なアップデートが図られ、150kW までの急速充電に対応するようになった。いまアウディジャパンは、ポルシェジャパン、フォルクスワーゲンジャパンと手を組み全国のディーラー網などを活用する充電サービス「Premium Charging Alliance (PCA) 」を展開するが、これでいま設置が進められている150kW急速充電器のメリットを享受できる。例えば55 e-tron quattroの場合、150kW急速充電器を使用すると、10%から80%まで34分で充電可能(理論値)というから、利便性が高まるのは間違いない。

アウディのドイツ本社は、2026年以降に新たに発表するニューモデルはすべて電気自動車とし、2033年以降は全モデルを電気自動車とする計画を発表している。電動化の進捗度合いはもちろん国や地域によって異なるが、自動車業界がその方向へ進んでいくことは間違いないだろう。そうした中、先駆者であるe-tronは数年を経てQ8 e-tronとなり、まさに洗練という言葉がふさわしい進化を果たしていた。

文=藤野太一 写真=アウディ ジャパン 編集=iconic

<p>12.3インチディスプレイを用いたバーチャルコックピットシステムを採用。ステアリングには回生レベルを変更できるパドルシフトが備わる。</p>

12.3インチディスプレイを用いたバーチャルコックピットシステムを採用。ステアリングには回生レベルを変更できるパドルシフトが備わる。

<p>S lineのフロントにはスポーツシートが備わる。</p>

S lineのフロントにはスポーツシートが備わる。

<p>リアシートは40:20:40の分割可倒式を採用。こちらはQ8 Sportback 55 e-tron。</p>

リアシートは40:20:40の分割可倒式を採用。こちらはQ8 Sportback 55 e-tron。

<p>価格はQ8 e-tron 50が1099万円、Q8 e-tron 55が1275万円、Q8 Sportback 55 e-tronは1317万円となる。</p>

価格はQ8 e-tron 50が1099万円、Q8 e-tron 55が1275万円、Q8 Sportback 55 e-tronは1317万円となる。

<p>フロントマスクには、開口部の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新デザインを採用。</p>

フロントマスクには、開口部の少ないシングルフレームグリルをブラックのマスクで囲む新デザインを採用。

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