クリエイティブディレクター中込憲太郎さんが語る歴史的偉人のコートストーリー【前編】

bool(false)
Facebook
Twitter
友だち追加

コート・レジェンズよ永遠に。

クリエイティブディレクター中込憲太郎さんが語る歴史的偉人のコートストーリー【前編】

ファッションアイコンとして語り継がれる有名どころ以外にも、その佇まいを学びたいコート・レジェンドは歴史上にたくさんいるはず──そんな想像の答えを求めて、服飾業界屈指の博識で鳴らす中込憲太郎さんにインタビュー。古今東西の服飾、文化、歴史を研究し続けてきた氏が思わず唸った装いとは? そして、彼らから学ぶべきスタイルの極意とは?


モンタンとアントニオーニに見る対極のバルカラー・スタイル

防寒・防風・防塵といった目的のために作られたコートは本来、“道具”としての性格が強い服。綿のバルマカーンはそれを象徴する一着で、着る人が普段何を考え、どこへ行き、何をしているのかが佇まいを大きく左右します。たとえば下に挙げた2枚の写真。アントニオーニは実存主義的な思想も感じさせる、インテリジェンスに溢れた映画監督。全く隙を感じさせないこの服装からも、彼のプロフェッショナリズムと知性が滲み出ています。

“彼のインテリジェンスが滲み出ています”

ミケランジェロ・アントニオーニ “彼のインテリジェンスが滲み出ています”
Michelangelo Antonioni(ミケランジェロ・アントニオーニ)

一方、映画『万事快調』のモンタンは非常に無造作な佇まいですが、これは完璧な役作りの賜物でしょう。自身の髪や瞳の色、顔立ち、体型などすべてを計算のうえ、ヨレたコート姿が板についた人物像を作り込んでいるのです。ともあれ両者の好対照な魅力は、それぞれのパーソナリティとコートが完璧に一致しているがゆえ。コートを着こなすうえで大変示唆に富んだ実例でしょう。

“これぞ計算ずくの無造作です”

イヴ・モンタン “これぞ計算ずくの無造作です”
Yves Montand(イヴ・モンタン)

【 COLUMN 】

ダブルコート姿のアントニオーニも抜群に格好いい!

ダブルコート姿のアントニオーニも抜群に格好いい!
映画『赤い砂漠』のセットに佇むアントニオーニのダブルコートスタイルも実に印象的。「トレンチではなくタウンウェア用のコートですね。アルスターカラーやパッチ&フラップポケットが特徴的です。’50〜’60年代にはポピュラーだったと思われ、マルチェロ・マストロヤンニやヴィットリオ・デ・シーカなどが着用している姿も確認できます。襟の立て方やグルグルと巻きつけたベルトなど、ちょっとしたこなしが独特」

2024

VOL.341

Spring

  1. 1
2
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop