竹林でのシェフズ・テーブルのコース内容
また、ワインのペアリングも絶妙のセレクト。
微発泡のナチュールワイン。オーストリアのソーヴィニヨンブラン。ジョージアのオレンジワイン。ブルゴーニュのガメイ。井上シェフの真骨頂、イタリアンの要素を基本に、和のテイストを合わせた料理とのマリアージュは、完璧だった。
ワインのペアリングも最高!
デザートには、燻製のチーズケーキ、そして、サツマイモの「べにはるか」をペースト状にして竹串に張り付けたものを、炭火で焼く。粋な演出だ。

これで、およそ3時間のシェフズ・テーブルが終了。
そもそも、竹林でのシェフズ・テーブルを井上シェフが思いついたきっかけは、今年の春、アドプランツ代表の増永さんと、採りたてのタケノコを食べたことだ。増永さんの仕事は、竹林の新しい使い方を提案するのが、事業のひとつ。そこで野外での開催を考えた。ただ、開催にふさわしいと思っていた夏は、虫も多く、作り手も食べ手も、決して心地いいわけではない。気温も落ち着いた季節、この11月に開くことになった。
井上シェフは話す。
「竹林のシェフズ・テーブルで、自分なりに感じたイメージのよかったことを店内でも展開したいと思います。ここで得られたアイディアを店にフィードバックし、より豊かな料理を作っていきたいですね」

京都人の間で、受け継がれてきた「始末の心」。すべての食材を大切にし、最後まで使い切ることの意味は、「食材を命」と考える、井上シェフの料理哲学そのもの。テーマとなる「七十二候」は、季節の繊細な移ろいを五感で受け止められる竹林という自然のなかで、より深く体感できた。
なお、井上シェフによる通常の「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」は、ザ・リッツ・カールトン 京都の「サレッタプリバータ」にて水曜~土曜に随時開催されているので、気になる方は是非体験してみてほしい。
ザ・リッツ・カールトン 京都
「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」
予約:075-746-5522
営業時間:18時 一斉スタート
定休日:日・月・火曜
URL:https://chefstable.ritzcarltonkyoto.com/
取材・文=矢部克已(UFFIZI MEDIA)