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ヤリスと同じ最小回転半径で街中でも快適

メルセデス・ベンツ EQE SUV インテリア
ディスプレイに操作を集約することでスイッチ類を減らし、すっきりしたインテリアデザインとされた。

試乗車は、EQE 350 SUVの導入記念モデル、ローンチエディションだった。EQE SUV のサスペンションはフロントに 4リンク式、リアにはマルチリンク式を採用。連続可変ダンピングシステム ADS+とエアサスペンションを組み合わせたAIRMATIC を標準装備。ドライバーが好みに応じてComfort、Sports、ECO、Individual に加え Offroadとドライブモードの切り替えが可能なダイナミックセレクトも備えている。

ステアリングホイールに備わるシフトパドルを使って、回生ブレーキによる減速度は3 段階(D+、D、D-)で設定可能。このほか、D Auto モード(インテリジェント回生)では、先行車を検知すると、車間距離を自動で調整しつつ停車に至るまで可能な限り追従してくれるなど、慣れると非常に扱いやすいものだ。

そしてEQE SUV には新機構としてディスコネクトユニット(DCU)が搭載された。これはフロントアクスルにクラッチを設け、走行状況に応じてクラッチを切りはなし前輪をフリーにして抵抗を低減。高速巡航時などは後輪駆動(2WD)にすることで電費をかせぐというものだ。その作動状況はモニターで確認することができるが、ドライバーはまったく気づかない。今後、同じプラットフォームのEQS SUVなどにも導入予定という。

後輪が最大10度可動するリア・アクスルステアリング
後輪が最大10度可動するリアアクスルステアリングを標準装備。これにより最小回転半径はコンパクトカー並みの4.8mとされた。
バッテリー口
バッテリーやバッテリー管理のソフトウェアもメルセデスが自社開発。ちなみに、急速充電(10%→80%)の場合、50kWなら102分、90kWなら54分で充電できる計算となる。

パワー感、静粛性、乗り心地、直進安定性、ハンドリング、あらゆる面において洗練されている。電気自動車であっても、メルセデスらしさはまったく失われていない。そして、街乗りでもっとも重宝するのが、後輪が最大10度、前輪と逆位相するリアアクスルステアリング。いわゆる4WSだが、最小回転半径は内燃エンジンモデルのGLE(400d)が5.6mなのに対して、EQE SUVのそれは4.8m。これはトヨタ ヤリスと同じ数値といえば、どれほど小回りが利くのか想像できるだろう。Uターンする場面や狭い駐車場に駐車する際にはきっと驚くはずだ。

さらに日本仕様の特別な機能としてV2H(Vehicle to Home)/V2L(Vehicle to Load)を搭載する。これはオプションの機器を使うことで、車両を家庭の太陽光発電システムで得た電力を貯蔵する蓄電池として利用したり、逆に停電時などに家庭に電気を送る予備電源として活用できるというもの。アウトドアや万が一の災害時にも役に立つ。

AからSまでラインアップが揃ったことに伴い、メルセデスの電気自動車は着実に進化している。クルマを2台以上所有するライフスタイルを送っている人ならば、そろそろ1台は電気自動車という選択は大いにアリだと思う。

文・藤野太一 編集・iconic

<p>フロントグリル部のブラックパネルは超音波センサーやカメラ、レーダーなどを裏側に備えている。</p>

フロントグリル部のブラックパネルは超音波センサーやカメラ、レーダーなどを裏側に備えている。

<p>EQE 350 SUVには一体型形状のスポーツシートを装着。アクセルの踏み込み量や車速、回生ブレーキ量など十数種類のパラメーターで変化するドライビングサウンドを備える。</p>

EQE 350 SUVには一体型形状のスポーツシートを装着。アクセルの踏み込み量や車速、回生ブレーキ量など十数種類のパラメーターで変化するドライビングサウンドを備える。

<p>後席はシートアレンジなどが便利な、40:20:40の分割可倒式を採用している。</p>

後席はシートアレンジなどが便利な、40:20:40の分割可倒式を採用している。

<p>ラゲッジ容量は通常で520リッター、後席をすべて倒せば最大1675リッターまで拡大する。</p>

ラゲッジ容量は通常で520リッター、後席をすべて倒せば最大1675リッターまで拡大する。

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