縫製前の下準備は一般的なドレス靴より入念
「1つ1つのノイズを丁寧に取り除く。その積み重ねが、履き心地に繋がります」
ランウォークは上質な天然皮革をアッパーに用い、それが高級ドレスシューズ然とした見た目を生むひとつのポイントになっている。裁断❶の工程では当然そのレザーの美しさを損なわないよう細心の注意が払われていた。
アッパーの各パーツの縫製前に、スキ加工❷や羽根の菊寄せ❸など、普通では見られない贅沢な工程があるのも美しさのためだが、同時にこれは快適な履き心地を叶える策でもあるそうだ。
たとえばソールの硬いグッドイヤー製法の靴であれば、パーツが重なる部分の厚みがあっても外観にはさほど響かない。しかしランウォークはソールが柔らかいため、段差が大きければソールを変形させてしまう。綺麗でスムースな外観を表現しつつ、快適な履き心地を保つには、この作業は不可欠、というわけだ。
アンクルスポンジ❹を仕込む工程や、ゴアテックスブーティ❺の縫製工程からは、ランウォークが非常に手間のかかる構造であることを改めて実感。端正さを損なわずにこうした機能系パーツを盛り込めるのも、山陰アシックス工業の縫製精度の高さがあるからだろう。











