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11代リッチモンド公爵
主催者である11代リッチモンド公爵。

舞台は英国貴族の屋敷(グッドウッド・ハウス)とその広大な、あまりに広大な敷地である。庭でクルマを走らせた、という故事にちなんだイベントをヒルクライムレースとして30年前に始めたのが7月に開催される“フェスティバル・オブ・スピード”(FoS)。もちろん庭の道(2km弱もある! )を使って行われる。もう一つ、9月のイベントは“リバイバル”と言って、こちらは25年前に復活したじい様のサーキットで催されている。FoSの商業的な成功を受けて、サーキットを復活させることができたというわけだ。

貴族の名は11代リッチモンド公爵(他にも爵位をいくつか)。彼のアイデアが優れていたのはイベントをまずはクラシックスポーツ&レーシングカーに絞ったことだった。おりからミッレミリアやヴィラデステなどクラシックカーをテーマにしたイベントが世界で始まりつつあった。リッチモンド公爵(当時はマーチ卿)はグッドウッド・サーキットをクラシックカーレースの聖地として復活させるべく、まずは庭のイベント(ヒルクライム)もまたクラシックカーを集めて行った。その際、昔のレーシングカーやチーム、ドライバーに焦点を当てたことで“リユニオン”的な雰囲気を醸し出すことに成功。それがたくさんの観客を集めることにつながった。“懐かしさ”はいつの時代もビジネスの有力な源泉だ。人が集まるとなれば、自動車メーカーも放ってはおかない。今では“走るモーターショー”として多くのグローバルブランドがブースを構え、最新モデルのデモ走行を披露する。イベントの規模は30年前の10倍となり、先代から続く公爵家の建て直しに一役買うことができたのだった。

7月に開催されたグッドウッド フェスティバル・オブ・スピード
7月に開催されたグッドウッド フェスティバル・オブ・スピード。
W12エンジンの20周年を記念したベントレーのパレー
ベントレーはW12エンジンの20周年を記念したパレードも実施。
<p>ランボルギーニ初のハイブリッドレーシングカー「SC63 プロトタイプ」をお披露目。発表にはステファン・ヴィンケルマンChairman and CEOも出席した。</p>

ランボルギーニ初のハイブリッドレーシングカー「SC63 プロトタイプ」をお披露目。発表にはステファン・ヴィンケルマンChairman and CEOも出席した。

<p>ランボルギーニは先日発表されたプラグインハイブリッドのレヴェルトも持ち込んだ。</p>

ランボルギーニは先日発表されたプラグインハイブリッドのレヴェルトも持ち込んだ。

<p>マセラティは2023年に生産終了予定のV8エンジンを搭載したモデルを走行させた。</p>

マセラティは2023年に生産終了予定のV8エンジンを搭載したモデルを走行させた。

<p>ポルシェはコンセプトモデルである「ビジョン 357 スピードスター」も展示した。</p>

ポルシェはコンセプトモデルである「ビジョン 357 スピードスター」も展示した。

<p>フェラーリは488GT3 Evo 2020をベースとしたワンオフモデル「KC23」を展示。</p>

フェラーリは488GT3 Evo 2020をベースとしたワンオフモデル「KC23」を展示。

<p>トヨタは水素で走るGR YARIS H2(写真はイープル・ラリー参加時)をはじめ、カーボンニュートラルなモータースポーツに向けた車両を中心に参加。</p>

トヨタは水素で走るGR YARIS H2(写真はイープル・ラリー参加時)をはじめ、カーボンニュートラルなモータースポーツに向けた車両を中心に参加。

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