スポーツモードで軽快な走りが楽しめる

まずA180セダンに試乗した。AMGライン仕様車のため標準より1サイズアップの18インチタイヤを装着しているが、ゴツゴツ感も少なく乗り心地も良好で静粛性も高い。スペックだけを見るとディーゼルに比べて非力に思えるかもしれないが、ディーゼルモデルよりも約130kg軽いこともあって軽快に走る。従来モデルではセンターコンソ−ルにタッチパッドがあったが、それがなくなり走行モード切り替えのダイナミックボタンが備わる。スポーツモードにすればステアリングの手応えが増し、シフトプログラムが変更されるなどよりキビキビと走るようになる。
A200dハッチバックに乗り換える。エンジン始動時にはほんのわずかにディーゼルであることを意識するが、走り出してしまえばそれも気にならなくなる。最大トルク320Nmだけあって、エンジンは1500回転もまわせば高速巡航も可能だ。こちらもモード切り替えが可能だが、スポーツモードのほうが意のままになる感覚があって走りやすい。
気になるスタートプライスは、A180が498万円、A180セダンが505万円から。世界にはコロナや半導体やロジスティックやエネルギーやらさまざまな課題があって、身のまわりのあらゆるものが値上げラッシュの中、新型Aクラスではいくつもの装備をアップデートしているのだから仕方がないとも思えるが。一日も早く平和な世界が戻ることを願うばかりだ。
文・藤野太一 写真・河野敦樹、メルセデス・ベンツ日本 編集・iconic