濱田庄司の香合、下は黒田辰秋の弟子が合わせて制作
「前の持ち主が、壊れてしまった香合の下部を木工作家である黒田辰秋の弟子に頼んで吹き漆で作ってもらったというもの。本来なら下部も陶器で出来ているものだと知っているから、木が重なっているという違和感が楽しくて購入しました。陶器と木工、ジャンルの違う作家がジョイントしたという一品」
タイ北部アノニマハウスのカゴ
「蓋付きのカゴは、編み方の多様性と柄が気に入って買いました。東南アジアというと、ラフで荒いイメージを持ちがちですが、こんな風にとても丁寧に作っているものもありますよという存在。脚があることで浮いているような感じが好きです。もし浮いていなかったら、つまらないと感じて買わなかったかもしれないですね」
柳 宗悦デザインのスツール
「日本民芸館で柳宗悦が着座のお茶会を企画した時にデザインした椅子とのことです。展示場で見て元々知っていて、骨董屋でたまたま見つけた際に購入しました。現行のものとは木の部分の塗りが違い、艶感のないマットな質感が気に入っています。ガマという素材による貼り地の座面とフレームの木のコントラストが美しい」
ビームスクリエイティブ・ディレクター
南雲 浩二郎さん
VMDの統括後、デコレーターとして国内外で様々な家具やオブジェ、アートなどを買い付けてきた経験から、現職ではビームス社外のクライアントよりプロダクトからインテリアまで、様々なディレクションを請け負う。
OBJECTS balance of differences
タイトルの意味は「異なるモノの均衡」。幅広い媒体で取材を受ける南雲氏の自宅から、多種多様なモノを250点以上収録し、“モノとの関わり方”や“目線”が紐解かれていく一冊。2420円（世界文化社）
［MEN’S EX Spring 2023の記事を再構成］
※表示価格は税込み。
