価格でも、速さでもない
エグゼクティブがラグジュアリーカーを選ぶ20の理由
高価であること。速いこと。豪華であること。もちろん、それもラグジュアリーカーを形づくる要素だ。
けれど、一台を選ぶ理由はそれだけではない。受け継がれてきた歴史、遠くまで走りたくなる心地よさ、自分だけのために仕立てる愉しみ、名車に宿る希少性や来歴。そして、そのクルマだからこそ出会える特別な体験や文化まで。何を買うかではなく、何を理由に選ぶのか。
エグゼクティブのための、いまのラグジュアリーカー選びを20の視点から考える。
【II】CHOICE 自分の価値観で選ぶ
(8)自分だけの一台を仕立てる
愛車を世界に一台だけの自分仕様へ仕立てる。その行為は、オーダーメイドでスーツを誂える感覚に近い。ボディカラーや内装色だけでなく、レザーやウッド、ステッチなど、選べる範囲は驚くほど広い。大切なのは、選択肢の多さを誇ることではなく、どこに自分らしさを忍ばせるか。仕様を考える時間そのものが、すでにラグジュアリーな体験なのだ。
個性は、さりげなく忍ばせるくらいがいい
フェラーリの「テーラーメイド」、ランボルギーニの「アドペルソナム」など、いまや多くのブランドがパーソナライゼーションを用意する。カタログにない色や素材を選ぶだけでなく、本社の専任スタッフと相談しながら一台を仕立てることも可能だ。ただし、選べるからといって盛り込めばいいわけではない。レザーやステッチの色を変える、見えにくい場所にイニシャルを忍ばせる。本人にしか分からないこだわりも洒落ている。主張しすぎず、それでも自分らしい。そんな控えめなビスポークにこそ、センスが表れる。
ベントレーのパーソナライゼーション部門、マリナーは、ときに大胆な特別仕様を通してビスポークの可能性を示している。最新の提案で注目されたのは、車体の片側から反対側へと色が移ろうサイド・トゥ・サイドのグラデーションペイント。色や素材を選ぶだけではない、表現そのものをオーダーする時代を象徴している。
[MEN’S EX Autumn 2026の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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