高い=高級ではない! 名⾨スイス製からお馴染み国産時計まで、30万円以下*で買える傑作時計150本超を掲載した絶賛発売中のムック『U(アンダー)30万円で一生使える傑作腕時計150』。その中身をピックアップしてご紹介。
*税抜き・2022年9月現在
【U30万円なのに一生変形しにくい】
変形・腐食しないから長く使える
セラミックケース
近年、ケースの素材として注目を集めているセラミック。この先進素材を使った人気ブランドの製品が30万円以下で!
セラミックケース
1917年創業の「シュルップ・アンド・カンパニー」をルーツとするラドー。超硬合金ハードメタルをはじめ、その特殊な素材使いから“マスター・オブ・マテリアル”と呼ばれる同社が、1980年代に時計業界で初めて用いたのがセラミックである。’86年にブレスにセラミックを採用した「インテグラル」、’90年にはセラミック製ケース&ブレスが一体型となった「セラミカ」を発表。以降、それまで航空宇宙業界や医療分野で使われてきたセラミックは、SSやチタンと並ぶ定番の時計外装素材となっていった。
セラミックは金属のSSやチタンとは違い、ジルコニアなどの酸化物や炭化物を焼き固めた焼き物の一種である。これらの原料を鋳型へと射出し、成型したあと、1450℃の高温でじっくり焼き上げる。その際、内部の水分が抜けて乾燥することで、最高レベルの硬度を獲得するとともに、他とはひと味違う質感と艶が生じる。これを使用したケースは軽量ながら耐久性が高く、摩耗や傷、腐食にも強い。また、非金属製であるため、金属アレルギーの人も安心して着けられるのだ。
1450℃でセラミックを高温焼成
材料を高温(1450℃)特殊炉の中で焼成。何時間もかけてセラミックは硬化し、独特の色合いと高硬度を獲得すると同時に水分が抜けて乾燥。約23%縮小して最終サイズになる。
こうした優れた特性によって、今では高級ブランドの多くが取り入れるようになったセラミック。一方、ラドーではオールセラミックの上質モデルがU30万円の良心的価格で手に入る。やはりセラミックはパイオニアブランドに限る。